野火 | メタボの気まぐれ

大岡昇平の原作を市川崑が監督した1959年の大映作品
「野火」は太平洋戦争末期の1944年12月7日に
米軍オルモックの上陸によりレイテ島戦線が激化、
飢餓に追いつめられた兵隊を描いた戦争映画である。

レイテ島戦線にて日本軍は山中に追いこまれていた。
田村一等兵（船越英二）は肺病のために部隊を離れ
野戦病院へ行くものの食糧不足を理由に入院を拒否された。

翌日、病院は砲撃され田村は荒野を一人で逃げ
海辺の教会のある無人の町で塩を手に入れた。

永松（ミッキー・カーチス）たちと山中の芋畠で出会った。

彼らは集結地というパロンポンを目指す事にし、
雨季がきていた密林の中をボロボロの兵たちが進む。

しかしオルモック街道には米軍が上陸、
米軍の砲撃によって陣地は崩壊し
横断は不可能となっていた。

山中の兵たちは米軍が退散するのを待ったが
そのまま幾日が過ぎてしまった。

仲間たちは次々と死んでしまい田村は
熱帯の山野へと飢えの迷走を始め
草を食って生きていた。

転んだ彼を抱き上げたのは永松で
彼は猿を狩り、歩けぬ安田と生きていたのだ。

しかし、再会できたのも束の間、安田は田村の
手榴弾を騙し取り、田村たちに投げつけてきたのだ。

実は安田が歩けないのは偽装であり

永松は安田を射殺した。
その足首を打落している時、今度は田村が銃を取った。

銃声と共に永松はそのまま倒れ
田村は銃を捨て、かなたの野火へ向って
よろよろと歩き始めた・・・

この映画に出演したミッキー・カーチスは
平尾昌晃、山下敬二郎と共にロカビリー歌手として
日劇ウェスタンカーニバルに出演し高い人気を誇り
1960年には第11回NHK紅白歌合戦に出場しました。