12月11日(月)新宿ミラノ座2にて
6代目ボンドに 金髪のダニエル・クレイグ が決まったとき、違和感を覚えたのは小生だけでしょうか。金髪はともかく、これまでのボンドが持っていた精悍さと優雅さに欠けるのではないか、と疑問を持ったからです。
が、本作を見て、その危惧は吹っ飛びました。 「ミュンヘン」 とはまるで別人のダニエル・クレイグがいたのです。歴代のボンドはもとより、初代の ショーン・コネリー に匹敵するボンド像に仕上がっていました。
2006年アメリカ映画 140分 監督=マーチン・キャンベル。原作=イワン・フレミング「カジノ・ロワイヤル」。主題歌=クリス・コーネル。出演=ダニエル・クレイグ、エバ・グリーン、ジュディ・デンチ、マッツ・ミケルセン、カテリーナ・ムリーノほか
1作ごとにスケールアップしてきたこのシリーズ。特に ピアーズ・プロスナン になってから、その傾向は顕著でした。CGを駆使し、壮大なセットを使ったアクションは、それなりの効果を上げていましたが、あまりのエスカレートぶりに、リアリティが失われたのも事実です。
新生ボンドになって、今回は一種の原点回帰が行われました。実地試験に合格し、 殺しの番号「007」 を取得した若き日のボンド。まだ半信半疑のMに認められるべく奮闘します。使命感と不安感が交差する初々しいボンドの旅立ちです。
アクションも身体能力を前面に押し出し、超人的な業や武器は控えています。マッチョな新ボンドの肉体は、それによく耐えた、と言っていいでしょう。
タイトル・デザインも洒落ていて、 「シン・シティ」 に通じるものがありました。最後の「マイネームイズ・ジェームズ・ボンド」のセリフも決まっています。一人前に成長したボンドの誕生でした。
ボンド・ガールは本格派美人のエバ・グリーン。この人、 「ルパン」 に出ていた女優さんではないでしょうか。細身で知的な美人です。仕事のパートナーから恋人に変わっていく女心をうまく演じていました。ボンドが本気で恋をしたのも、はじめてでしょう。切ない別れもあって、めずらしく泣けました。
悪役は、あまり魅力的とはいえません。 テロリスト に資金を提供する投資家という設定。その資金をポーカーで巻き上げようというのがボンドの使命です。ポーカーは運ではなく、 確率の勝負 ですから、それも可能でしょう。マット・ディモン主演の「ラウンダーズ」でも、ポーカーで学費を稼ぐロースクールの学生が出てきました。
このシリーズ、全作見ていますが、本作は 最高の出来 、と絶賛しておきます。公開2週目の月曜日でしたが、客の入りは8割くらい。これも内容の良さを証明しているでしょう。必見です。
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