同性愛でも、レズビアンは ビジュアル的 に許容できます。新宿2丁目で遊んでいたとき、ノンケのスナックで女同士のカップルをときどき見かけました。酔ってくると、熱烈なキスなど交わしていましたが、嫌悪感はまったくありませんでした。
ゲイバーにもよく行きました。ニューハーフではなく、美少年がいる ホモスナック です。そっちの趣味はありませんが、彼らの 会話が面白い ので、頻繁に通いました。小生の毒舌は、そこで覚えたものです。
本作は、20年にわたる男同士の友情を描いています。友情といっても、精神的な交流だけではありません。肉体的にも、愛し合った仲なのでした。ある意味では、 タブーに挑戦した勇気ある映画 と言えるでしょう。
制作=2005年 アメリカ映画 134分。監督=アン・リー。 原作=アニー・ブルー 。出演=ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール、ミシェル・ウィリアムズ、アン・ハサウェイ、ランディ・クェイド、リンダ・カーデリーニ、アンナ・ファリスほか
1963年のワイオンミング、シグナル。二十歳のイニス( ヒース・レジャー )とジャック( ジェイク・ギレンホール )は、羊の大群をブロークバック・マウンテンまで運ぶ仕事にありつきました。性格が相反する2人ですが、山の中で孤独な仕事を続けるうち、次第に打ち解けていきます。
寒波に襲われたある夜、2人はテントの中で自然に結ばれました。 1回だけの関係 です。やがて夏が来て仕事が終わると、何事もなかったようにそれぞれの故郷へ帰っていきました。4年後、ジャックがイニスを訪ねてきます。イニスはアルマ( ミシェル・ウィリアムズ )と、ジャックはロリーン( アン・ハサウェイ )と結婚していましたが、再会で感情が高ぶり、激しくキスを交わすのでした。
2人の情熱的な抱擁を目撃したアルマ。 定期的に逢い引きを繰り返す イニスとジャック。アルマは子供を連れて家を出ます。ジャックの家庭も波風が立ちはじめました。家を捨てて2人で牧場をやろうというジャック。 ゲイ だとわかったら殺されるかもしれない、と怯えるイニス。歳月は静かに過ぎていきました。
見終わったあと、 不思議な感動 が胸に迫ってきました。世間の常識から考えれば、アブノーマルな愛情ですが、抑制された語り口が、愛の 異常性を昇華 しているのです。流麗なカメラワークも、カタルシスに寄与しているでしょう。
ワイオンミングの 美しい風景 が、(実際のロケはカナディアン・ロッキーで行われたようですが)見る人の心をとらえて離しません。ひょっとしてこの映画の主人公は、美しい自然なのかもしれない、と錯覚するほどでした。
男臭いヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールの好演も、見どころのひとつです。主人公に 中性的な俳優 を起用しなかったことは正解でした。甘い二枚目では、単なるホモ映画にとどまってしまったでしょう。
至高の愛を描いた 秀作 、といったら褒めすぎでしょうか。先入観を持たずに見てください。きっと心に沁みるものがあるはずです。
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