幕府で"事業仕分け"が進む中、町では武家殺しが相次ぐ一方、妻・ふくの懐妊という驚きの知らせに小五郎は? 「晴らせぬ恨み晴らします」
2010年7月10日(土)テレビ朝日系 9時~11時6分放送 監督=石原興。脚本=森下直。出演=東山紀之、松岡昌宏、田中聖、谷村美月、和久井映見、藤田まこと ほか
幕府では若き勘定吟味役・風間右京乃助( 小澤征悦 )が敏腕をふるっていました。筆頭老中・沢木丹波守輔忠( 津川雅彦 )を後ろ盾に、江戸城の改築や橋の付け替えなどの取り止めを次々と決定、幕府の財政を立て直そうというのです。この"事業仕分け"に、普請奉行の酒巻勘解由( 本田博太郎 )は反発します。贅沢三昧の暮らしを送る大奥のお年寄り・霧島( かたせ梨乃 )にいたっては、小判を作って財政を立て直せ、などという無茶な注文を言い出す始末。
企画中に中村主水の 藤田まこと が亡くなり、本作は追悼の意味を込めたスペシャル版。主水は回想場面にちらっと出てくるだけなのが残念。例によって現代の世相を巧みに取り入れたアクチュアルな構成になっています。
2時間の長尺ですから、複数のエピソードを絡めてストーリーが進行します。退屈はしませんが、やや未整理の感は否めません。クライマックスへ行くまでの過程がもたつくのです。スペシャル版の宿命でしょうか。
お札(おふだ)参りの踊り、仕事を目撃された仕立屋、風のごとくあらわれる正体不明の坊主、突如上方へ異動させられた主水、親兄弟を失った少女から仕事を依頼された経師屋、妻の懐妊を知らされ狼狽する小五郎などなど。
盛りだくさんはいいのですが、 結末では駆け足 になり、あっけない感じもしました。各人の仕事ぶりはいつもの通りですが、主水がいない分、小五郎に負担がかかるのは致し方ないでしょう。
スペシャル版としてこれが標準でしょうか。 可もなく不可もなく 、といった出来です。追悼版として過度に感傷的にならなかった点は評価できます。小五郎はほんとに父親になるのか、それは秘密。あるいは本作が見納めになるかもしれず、 ファンは必見 でしょう。
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