アンチヒーローはいつの時代にも、そしてどこの国にも存在するようです。そのひとりがジョン・デリンジャー。無法者として生きる男とFBIの攻防を軸に、運命の恋人との純粋な愛を描いた作品です。
制作=2009年 アメリカ映画 東宝東和配給 141分。原作=ブライアン・バーロウ。監督=マイケル・マン。出演=ジョニー・デップ、 クリスチャン・ベイル、マリオン・コティヤール、ビリー・クラダップ、スティーヴン・ドーフほか
1933年、大恐慌時代のアメリカで、ジョン( ジョニー・デップ )は紳士的な態度と鮮やかな手腕の銀行強盗として注目を集めてましいた。彼はクラブのクローク係として働くビリー( マリオン・コティヤール )に一目惚れ。二人は恋人関係になります。
ジョン・デリンジャーを主人公にした映画は何本かあります。本作はその中でも大作に属するでしょう。141分という長編であり、監督は一流、出演陣も豪華です。評判は芳しくなかったのですが、大いに期待して見ました。
結果は点数にすると 80点 といったところでしょうか。娯楽映画の王道を行く作品でした。抑制された演出で、派手な銃撃戦はありますが、全体に淡々とした展開です。 「インセプション」 のような映画とは対極にある、といってもいいでしょう。
銀行を襲い逃げるギャングたち。捕まっても巧みに脱獄します。この辺はかなり荒っぽい手口でした。追うFBI。捜査員を増やし、包囲網を縮めていきます。人員的には圧倒的にFBIが有利です。
時代遅れの銀行強盗を繰り返すデリンジャーには、逃げる後ろ姿に一種の哀愁が漂っていました。 「明日に向かって撃て」 のブッチとサンダースにもあった哀愁です。厳しさを増す警察の捜査に、マフィアもお手上げ。デリンジャーを見放します。
20世紀前半、車やファッション、街のたたずまいなど、レトロな見どころは必見でしょうか。ただ、ビリーとの恋愛模様は、説明不足のような感じでした。束の間の激しい恋を描くのは、監督の得意とするところではないのかもしれません。
最後の 「バイバイ、ブラックバード」 も、本来なら情感が高まって涙するところでしょうが、不発でした。惜しい結末です。とはいえ、大人の鑑賞に耐える娯楽映画、と推奨してもいい出来映えでした。
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