帰って来たかえるのへや

その15)09月05日記


2007.9.05記)その15「結末・交通事故」

(アカネが事故に合ったいきさつを詳細に書くので、
 読むに耐えない方が当然あると思います。
 このページを飛ばしても次に話がつながるように書きますので
 遠慮なくスルーして下さい。)

その日、夕方のゴウの散歩の帰りだった。
自分の家のある集合建て売り住宅の区画はすぐ目の前だった。
いつもとは何故か逆周りで帰ったので、
いつもよりやや車の通りの多い道を突っ切って我が家区画になるところ、
その寸前にアカネ達に出会った。
実は外でアカネに会ったのはこれが初めてだった。
アカネはいつも家を出るとすぐ遠くへ行ってしまい、
どこで何をしているのかさっぱり分からない子だったのだ。
アカネは道をつっきり、私達の側の路肩、私達の後ろについた。
それにアキラも遅れてやってきた。
アキラはまだ道路を渡らず区画内の他所のお宅の庭にいた。
アカネのしっぽが一瞬膨らんだ。
興奮状態...?アキラに追わせて、または追われていたのだろうか。

わたしは前方から車が来るのに気付いた。
ゴウだけなら普通に歩いて横切れるタイミングだった。
が、それに合わせてアカネがついてくるとしたらちょっと厳しかった。
アカネを本当は抱いて保護したかったが、
その気のない時抱かれてくれる彼女ではなかった。
一旦彼女が暴れたら、服薬の時さんざん味わったように
2本の手があっても保定できる自信はなかった。
無理してもかえって危険な目にあわせるだけだろう。
まして今は片手にゴウの綱を持っていた。

アカネも車には気付いているのだ、
車の危険はわかるだろう、まさか飛び出しはしまい。
このまま停まって待っていてくれれば車は楽々広い道を通り過ぎるし、
それでは安心できないなら、路肩の脇のガードレールをくぐって
ほんの狭い水路を跳び越せば広々とした畑だ。
アカネには楽勝で跳び越せる水路だ。
でも待っているには逆に結構時間が長いものだなあ。

わたしが心配していたのはむしろアキラの方だった。
アカネを追って、またはわたしたちと合流したくて
飛び出して来はしまいか?
が、アキラは車が迫るとくるりと向きを変え、住宅街の中に消えた。
わたしはほっとした。
車はわたしとゴウの横を通り過ぎた。
もう安心、と後ろのアカネを振り向いた。
そして飛び出すアカネが見えた。
彼女が生き延びるチャンスはいくらでも、
時間的にも空間的にも十分余裕があった。
が、まるでその時を測ったように。

その後の事は日記に書いた通り (11月9日 11月13日) だ。
アカネは苦しみはしなかった。

が、アカネを守れなかったkaeruには山ほどの「?」が残った。
アカネはアキラを追い掛けて走ったのだろうか。
迫る危険に、フラストレーションに耐えられなくなったのだろうか。
タイミングを間違えたのだろうか、自分の速度を過信したのだろうか。
kaeruはアカネを目で制していたつもりだった。
が、危機に際してアカネにkaeruの意図は通じなかった。
または指示を守れなかった。
アカネが信じ、頼る避難所にkaeruはなれなかった。
それだけの関係を作れなかった。

アカネとそんな関係でないのは知っていたでしょう?
アカネが危機管理が弱いのも知っていたでしょう?
駄目もとで押さえるべきだったか。
自分が傷つけられてもアカネの手足がもげてもつかんでいるべきだったか。
そもそも何故外に出したのか。
催眠誘導などと怪し気な手で浮かんだ空想にかぶれたからだ。

「ホラ、見守りなどと言ってお前が手を離すからアカネが死んでしまったよ。」




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