私はと言えば、もともとは心理学や哲学にしか興味のない「田舎の優等生」であったのが、学問の世界に挫折してから暇つぶしに絵を描くようになり、同時に屈折した内面のBGMを求めて「特殊な音楽」の世界に傾倒していった。具体的に言えば、イギリス70年代終盤のパンクロックの流行の後に開花した、80年代のいわゆる「ニューウェーブ」の中でも、暗くて重い「ポジパン(ポジティブパンク)」系の音楽がそれであった(当時はまだ「オルタナティブ」などという便利なジャンル名も存在せず、私は自分の好きな音楽ジャンルを訊かれても、「暗くて、重い、一種のニューウェーブ」などと説明していた記憶がある)。比較的知名度の高いバンド名を挙げれば、「キュア」のLP「ザ・トップ」や「コクトー・トゥィンズ」のファーストLP「ガーランド」、あまり知られていないバンド名でいうと「And Also the Trees」や「Christian Death」