ばけらったの3きょうだい育児日記

ばけらったの3きょうだい育児日記

出産



予定日近くなっても,一向に出産の兆候は現れなかった。一人目だし・・・と思いつつ,夫の当直日にあたらなければいいな,と思っていた。今回は転院したこともあって,里帰り出産をせずに産後実家に帰ることを予定していたので,当直日の夜中に産気づいたら困るなあ,なんて考えていたからである。

そうこうするうちに予定日の11月10日になった。兆候ナシなので,夫はその日,「予定日だけど大丈夫?」と職場に心配されながらも,長岡へ日帰り出張に出掛けた。私は定期健診の日だったので,予定通り午前中病院へ。一応車に入院準備のバックも積んで行ったが,先生いわく「まだもう少しかもねえ」とのことだったので,私の職場から書類のことで顔を出して欲しいと言われていたことから,一応先生の許可をもらい,その足で職場に行くことにした。職場に行く途中,アカチャンホンポに寄って足りないものを購入。金曜日だったこともあって,郵便局に寄ってお金を下ろして,と細々した用事も済ませて行った。
職場に顔を出すと,「予定日でしょう~!」と一同驚かれてしまった。これでも今朝病院に行ってOKもらってきたのよ~,と言っても,用事を済ませると「早く帰った方がいいよ!」とすぐに追い返されてしまった。
これらもろもろのことは,何かの知らせがあったのかもしれない。

帰宅してからしばらく経った午後3時過ぎ頃だろうか,下腹のあたりに鈍い痛みを感じるようになった。「何だろう,何か変なもの食べたっけ?」などと最初は考えていたが,何かが違う!陣痛だ!と直感した。慌てて間隔を計ってみると,15分おき。トイレに行くと,若干の出血,おしるしもあった。これは間違いない,と思って,出張先からもうこっちに向かっているだろう夫に「陣痛が始まったみたい」とメール。4時過ぎに夫から連絡があり,上野に着いた,とにかく座れなくても来た電車に乗る,とのこと。大体10分間隔になってきたので,病院に電話すると,私の声を聞いて「初産だけど少しつらそうだから,来て下さい」と言われた。最寄駅に到着する夫を拾いがてら,自分で車を運転して出発した。その頃には陣痛の間隔も7~8分くらいに短くなっていて,駅まで5分の道のりを痛みが治まるのを待って車を走らせた。駅で夫と運転を交代,そのまま病院に向かった。

午後5時半頃病院到着。診察を受けると,「まさか今日始まるとはねえ」と言われ,子宮口4センチ開とのことで入院となった。「早くても今日生まれるかどうかかな?」とのことだったが,内心,今日お産になるんだったら検診料損した~!と思ってしまった。
病室(二人部屋だったが個室として使用)に入り監視装置を付けられると,もう5分間隔に。痛みが去るとケロリとするが,痛みはどんどんきつくなってきた。
6時半に夕食。まだその頃は余裕があり,痛みの合間に食べることが出来た。入院というものが初めてだった私も夫も,病院の食事に興味津々。食事の良し悪しの噂は聞いていなかったが,そこそこ美味しく量も多かった。食事の後,出張帰りのスーツのまま来ていた夫は,一度着替えに家に戻ることになった。先生の「まだまだかかりますよ」の言葉に,「のんびり夕飯食ってからまた来る」と言い残して夫は帰宅した。
その後は,痛みの間隔がどんどん短くなり,痛みも増していった。剃毛と内診実施。子宮口7センチ開。何とか呼吸法で痛みを逃そうとするが,すぐまた痛みがやってくる,といった状態。テレビを見ながら気を紛らわしていたが,7時台にやっていた「ポチたま」は覚えているものの,8時以降のテレビは何をやっていたのか記憶がない。
8時半頃,夫が戻ってくる。本当はもっとのんびり来るつもりだったそうが,何だか気になって,まだ時間がかかりそうだったらまた帰ろう,と思って来たらしい。かなり私の痛がる姿を見て,「自分の母親が,一人しか産まなかった理由(夫は一人っ子)がわかるような気がする」なんて言っていたことを覚えている。
8時50分,ついに断続的に来る痛みに耐えられなくなりナースコールを押す。内診してみましょう,とのことで分娩室に向かう。目と鼻の先の分娩室に向かうまで何度も立ち止まってしまった。やっとのことで分娩室に着き,内診と導尿実施。ここまで夫もいっしょに分娩室に入ったが,「立会いしますか?」と聞かれて「結構です」と出て行ってしまった。そこで助産師さんも,「ここまで一緒にいたんだから,立ち会っても変わらないのにねえ」なんて言っていたけど・・・。ついに全開大となったが,なかなか破水しないので破膜しちゃいましょう,とのことで破膜。そうしたら一気に頭が下がり,いきみOKの指示がでた。頭が大きめのようなので,会陰切開をしないとダメかな(この産院はなるべくしない主義),と話しているうちに,3回目のいきみでするっと一気に痛みが消えていった!
平成12年11月10日午後9時16分誕生。身長48.0cm体重2856g。
思いの他早かったので,先生が間に合わなかったほどだった。産まれての助産師さん達の第一声は「旦那さんそっくり!」と大盛り上がり(笑)。私は性別を聞いていなかったので,「男女どちらですか?」と聞くと,「女の子よ!」とへその緒を処置した後の姿を見せてくれた。確かに夫に良く似ていて,髪の毛が黒々したちょっと小粒の女の子。元気な産声を上げていた。
9時19分後産搬出。あまり痛みは感じなかった。とにかく,無事出産できた安堵感で一杯だったように思う。一気にお産が進んだので会陰が少し裂けてしまったとのこと。縫合には少しつれた感じの痛みしか感じなかったが,ギザギザに裂けたわけではないのでキレイに縫合できましたよ,と言ってもらえた。
全ての処置が終わって,夫が部屋に入ってきた。看護婦さんがカナを連れて来て,いきなり「ハイ」と夫に渡したのだ!休んでいる私よりも先に,夫が抱っこ・・・。何だか緊張がこちらに伝わってきて,夫も「何でいきなり俺なんだよ~」と言いながら,しばらく抱っこしてくれていた。その時初めてゆっくりとカナを見ることが出来たが,二重まぶたのパッチリした目で,鼻から口元にかけて夫に良く似た赤ちゃんだった。
もうそろそろお部屋に戻りましょうか,という時になって,先生が「記念写真撮りますよ」とやって来た。そこで初めて私がカナを抱っこ。ちょっとおっかなびっくりだったけど,友達の赤ちゃんを抱かせてもらった経験もあったからか,自分としてはすんなりできたように思う。初めての3人家族の写真撮影。後日出来上がった写真を見たら,すでにカナはカメラ目線・・・。それを見た私と夫は「将来がコワイ・・・」なんて思ってしまったのであった。

産後の痛かった話を少し。
部屋に戻ってしばらくして,出血のチェックの時にかなり出血が多いようだ,とのことで再度医師の診察を受けた。胎盤が残っているわけではなく,会陰の傷からの出血だろうということだったので,その場で自然止血を試みるもなかなか止まってくれなかった。それならもう一針縫いましょう,ということになり,麻酔なしで縫合されてしまった・・・。正直言って,これが何よりも痛かったことかもしれない。


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