手術前日。


下着を取り、診察台に上がり、
子宮口を開くためのものを入れるために、機械みたいなものを何度か入れられた。
下腹部の奥の方がズキズキと痛かった。

その間、先生に「ほんまだったら、いつ生まれる予定でした?」と聞いたら、
「5月中旬、22日」と即答してくれた。
生まれてくることができない子なのに、いつ生まれるのか数えてくれたのかなぁ、
と思ったら、嬉しくて、涙が出そうだった。
処置の間、ずっと、ごめんね、ごめんね、と心の中で言い続けていた。

夜の10時くらいには痛みもおさまり、彼と遅めの夕食を取った。
3人で一緒にいるのは今日で最後だなぁ、と思いながら、
でも、思いつめたら、堕すのはイヤ、と取り乱して脱走しそうな自分がいたから、
前向きに穏やかにと思っていたら、疲れてたのか、寝てしまった。


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