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2009.04.26
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カテゴリ: カテゴリ未分類
トウキョウソナタ
黒沢清監督


(つづき)-6-

ネタバレになるのでこの後半からラストへの流れは詳しくは書かない。間抜けな強盗(役所広司)が家に押し入り、最初はその強盗に脅迫されて恵は人質になるが、途中からはむしろ恵が主導権を握って、強盗が盗んだプジョーのカブリオレで海への逃避行となる。プジョーのカブリオレは映画冒頭で免許を取った恵がショールームで見て憧れを感じた車だった。電動でオープンになるカブリオレだけれど、屋根のないオープンカーとは解放であり、また車はアナザーワールドに彼女を連れ出してくれる。もちろんハンドルを「握らされる」→「好んで握る」のは彼女だ。海辺の小屋では強盗とのラブシーンもあるが、こうして彼女は役割ではない自分を取り戻す。途中ショッピングモールで清掃員姿の夫・竜平と出くわすが、彼女は気にもとめない。

その竜平は自分が掃除をするトイレで札束の入った封筒を拾い、そのままくすねたいという誘惑と戦いながら走り回って一夜を過ごす。そしてそんな中で恐らく、やはり役割ではない自分にたち帰る。二男の健二はミニ家出をする。長男の貴はアメリカ軍としてイラクに行っていて姿は現さないし、その動静もわからないが、戦争の現実やアメリカだけが正義でないこと思い知って帰ってくるらしいことが、恵の夢という形で知らされる。

一夜明けて家の食卓には貴を除く3人が一人、また一人と帰ってくる。恵は朝食の用意をし、新生佐々木家家族のスタートだ。そして最後は数ヶ月後で、健二の弾くドビュッシーの『月の光』が流れる美しいラストが用意されている。

このラストには竜平、恵、健二の親子3名が姿を現すが、各人の個性の上に構成された新しい佐々木家の様子が描かれている。その新しい家族のあり方はまだぎこちなく、発展途上かも知れないが、天才ピアニストとしての健二への期待と重ねられ、希望に満ちたものだ。

ここで敢えてまた『歩いても 歩いても』と比較するなら、リアリティーという意味では実に写実的な是枝作品が、単なる現状の追認でしかなく、前向きな反省を結局のところ何も含まないのに対して、この黒沢作品には反省・改心・希望という建設的なメッセージがある。

(つづく)







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Last updated  2009.04.26 23:49:18
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