2006年03月29日
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カテゴリ: 読書
 昨年は、実家のゴタゴタやら裁判やらで、原稿は書けないし、本は読めないというturbulent year(嵐のような一年)を送った。今年は、また、新しいトピックを探して、本を書き始めようと、new yearでもないのに、new year resolutionsもどきの発言。まあ、いろいろと吹っ切れた、ということです。

 昨年末に、単著で本を出版し、今春、共著本を出版の予定なので、今は、ちょっとした空白期。そこで、アメリカに戻る時に、空港の書店で買いためた本を読み始めたというわけです。

 海外に住んでいると、ある日、突然、日本語を読みたいという日本語渇望状態になることがある。そんな時のために、空港の書店で、面白そうな本を買ってきては、ツンドクをしておく。

 そのツンドクの本を読み始めた。

 「アッコちゃんの時代」(林真理子著、新潮社)ーーー林真理子の本を、本棚が壊れそうなほど持っている私が言うのもおかしいが、私は、林真理子の小説が何故、売れるのか分からない。彼女の小説を読んでも、「あ~、本を読了した」という読後感を味わえないからだ。それなら、何で、林真理子の本を読むのかと訊かれれば、彼女に対する好奇心としかいえない。今度は、何を書いたのか、覗いてみたい、という気持ちで彼女の本を買っている。

 林真理子は、有吉佐和子のような小説家になりたいそうだが、「まだまだ」というか、力量が違うと思ってしまう。どちらも、女の心の暗闇を描き出そうとしているが、林真理子はシャーベット、有吉佐和子はトルコアイスクリームといった違いがある。

 この本「アッコちゃんの時代」は、週刊新潮に連載されていたバブルの時代、金と力を持つ男たちを次々と虜にし、伝説となった女の話を単行本にしたものなのだが、彼女の小説の中に登場する男性には、生きている実体感がないのである。

 林真理子の小説を読んで、いつも思うことなのだが、生きている男が描けていないのである。でも、彼女は、ストーリー・テラーなので、ヒロインが、どうなるのかという興味で最後まで読んだ。しかし、読んでも、何も残らない。

 「女の仕事じまん」(酒井順子、角川文庫)---この本は、退屈なので、最後まで読むのが馬鹿馬鹿しくなって、ページだけ、めくった。「負け犬の遠吠え」の著者の本なので、期待したのだが、期待はずれ。でも、彼女の観察力というか、小さなことをチューインガムのように、ぐにゃ~、っと引き伸ばす能力には脱帽。でも、引き伸ばしただけで、内容がないので退屈。褒めたような、けなしたような。







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最終更新日  2006年03月30日 08時50分42秒
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