今日も他人事

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5.中原にて事変、魔王刻を得て上洛



「フハハ、よかろう。お前のためなら、都の一つや二つ痛くもかゆくもない」
(郡雄伝第三章 おじいさまと董白の会話にて)


地方で反乱が繰り返される中、首都・洛陽では、帝を取り巻く宦官と大将軍・何進を中心とした軍閥勢力の対立が深刻化していました。

何進-遂高- 【他勢力軍/No225】


当時、霊帝が崩御した後、何進が自分の甥に当たる少帝を皇帝に取り決め、反対した宦官を殺害したためです。


さらに何進は清流派の名門である袁紹、袁術と通じて、宦官の撲滅を図りますが、実妹であり少帝の母親でもある何太后が宦官寄りでした。

何太后 【他勢力/No227】


実妹である何太后に反対されたため、何進は中々、挙兵の決断ができません。


何進は何太后に圧力を掛け、更に宦官を一挙に撲滅するために、辺境の有力軍閥に上洛する様に命令を下します。


それまで中央からの召喚を受け付けなかった董卓おじいさまも、何進からの檄文を受け取るや否や好機と見て、精兵三千を率いて洛陽へ進軍します。


(この時、幼馴染でもある袁紹からこの計画を聞いていた曹操は内心で、


「癌は体中に出来るものではなく、癌を取り除くには、一個の元凶を抜けばよい。
宦官の首謀者を摘み出し、投獄するなら刑吏一人で済む話であって、諸方の群雄に檄を飛ばすなどしては、
計画は宦官の知る所になるばかりか、漢室の乱れ様は野心家に知られてしまうだろう」



と思い、この計画は失敗すると考えていたそうです……)


さて、董卓おじいさまが涼州から洛陽へと向かう間に、事態は更なる変化を迎えます。


何進が挙兵を決断せずに稚拙な行動を重ねた為に、計画が十常侍ら宦官達に露呈してしまったのです。


危機感を抱いた十常侍らは何太后の命と偽り、何進を宮中に呼び出すとこれを白昼堂々、暗殺しました。


しかし、この行動に激怒した袁紹は袁術、慮植らと共にすぐさま手勢を集めると宮中に押し入ります。


突然の出来事に対応できない宦官達は乱入した兵士達に斬殺されました。


宦官と間違えて殺された者も含めると、総勢二千名もが殺害されたといわれています。


この時、袁紹の弟で虎賁中郎将の袁術が南宮に火をつけ、宦官一掃を図ったため、中常侍の段珪らは少帝とその異母兄弟・陳留王を連れ去り、夜道を逃走します。




一方、洛陽に辿り着いた董卓おじいさまは帝が出奔された事を知り、すぐさま兵を散開させ、探索を始めるのでした……


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