2004/12/17
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カテゴリ: 読了本


三軒茶屋にある”香菜里屋”という料理も店主の心遣いも素敵なバー
ここに集まる人々の物語。

 ◇「蛍坂」
有坂祐二は、16年振りに三軒茶屋の”蛍坂”に来た。
恋人だった女性を残し、カメラマンとして中東に渡る為に最後に恋人と歩いた道。
ふと見つけた店”香菜里屋”というバーを見つけ、立ち寄った。
そして、その”蛍坂”という地名は???

 ◇「猫に恩返し」
下町の居酒屋に借金の担保に猫をやくざものが置いていった。
ささくれだった心の飲み屋の常連と愛想のない店主にとって、まるで”天使”になった。皆に”ゴン太”と名づけられた。
そして、ある日店から居なくなった”ゴン太”は、事故で死んでいた。

ーーーーという話を聞きつけ、雑誌に載せた。
これに「感動した」という読者にかなり評判が良かった。
が!「顕彰碑を建てたいから募金を集めたいので叉雑誌に載せて欲しい」という依頼が・・・(募金の横領か?)
しかし広告の依頼者は、猫の話をしてくれた居酒屋の馴染み客で、元警察官で今も熱い法の番人の血が流れていると評判の人物。
そしてこの「猫の恩返し」の話には、「ブロードウェイの天使」という元ネタがあった。猫ではなく少女で・・・

 ◇「雪待人」
バブルがはじけた後の再開発計画の三軒茶屋の商店街。
一軒の画材店だけが立ち退きを拒否し、計画も見直された。
南原は、金物屋を閉めサラリーマンになっていた。
そして、10年もたっていきなり、画材店が店を閉めることになったという。
では、何故あの時に閉めなかったのか?

 ◇「双貌」
早期退職に応じ、次の就職活動をしているがなかなかうまくいかない。
その合い間をぬって、趣味の小説を書いたりしていた。
ある日、公園で浮浪者風の男に声を掛けられた・・しかし男は独特の悪臭というものが無い。
それを小説のヒントにもした。浮浪者風の男には、もう一つの世界や顔が有るのでは???

 ◇「孤挙」
真澄は、5歳しか違わない叔父の修治と最初に会ったのが、小学3年生の時だった。
冠婚葬祭の時に出会う二人は、子供達には退屈な場所から抜け出し、小部屋で飽くことなく話をしていた。
真澄にとって、修治の話は面白かった。
遠い町の話、山奥での釣り、海辺での飯合炊飯・・・・
真澄は夢中になって聞いた。
ある日、おじいさんの宝物の焼酎”弧拳”をこっそり飲んでみた二人。
大人になった今・・・・あの”弧拳”とは、何処の焼酎だったのか???
”弧拳”を探して欲しいという意味は??

**************************
それぞれ心にしみる作品です。
この中で好きなのは、「猫に恩返し」と「弧拳」です。






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最終更新日  2004/12/20 02:27:29 PM
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