2005/01/20
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カテゴリ: 読了本


ミルカは15歳になったばかりの読書好きで、ポーランド生まれのキューリー夫人に憧れていた。
ドイツ軍によるワルシャワ総攻撃の日、母も姉も父の病院の患者の世話に行っていて、ミルカは一人で留守番をしていた。
そして偶然であったユーリクという少年とミルカの家で恐怖の時を過ごした。

ポーランドは18世紀後半に、国境を接する強国、ロシア、プロイセン、オーストリアの3国によって分割され、前の大戦(第一次世界大戦)で、ポーランドは国家再興を果たす事ができた。
そしてまたも、東はソ連領、西はドイツの支配下に分割された。

ポーランド国内でも反ユダヤ感情はきわめて強烈で、更にドイツのSSの冷酷な目は、まずワルシャワ市内に数多いユダヤ人に向けられた。
前の大戦の最中にロシアでは革命が起き、皇帝(ロマノフ王朝の最後)を処刑した。
独裁政権を獲得したボリシェヴィキの指導者の多くがユダヤ人だった。
レーニン、トロッキー、スヴェルドロフ、・・・・
共産主義への恐怖と反感は、ポーランド人のユダヤ人に対する嫌悪をますます強めさせた。

=イギリスとフランスはポーランドの安全を保障する、ドイツが侵攻したら即座に軍事援助する=
という英仏の確約を信頼したから、ポーランドはドイツの要求を跳ね除け、敵対関係になった。
けれど、いざというとき、イギリスもフランスもポーランド救援に立ち上がる事はなかった。
ポーランド政府ときたら、さっさとワルシャワを捨て、逃げてしまった。

ミルカの家はドイツ人に没収され、1階にいけすかないドイツ人牧師夫婦と、2階に人懐っこいドイツ人撮影技師のホフマンという男性が住んだ。
そしてミルカたち一家4人は地下で暮らした。
姉は自殺し、父は反逆分子とされ母も連行された。
ミルカも・・・・が!ホフマンさんが自分の身の回りの世話人として、ドイツに連れ帰ってくれた。
ドイツのホフマンさんの家には彼の祖母がいて、ミルカは家政婦として働き暮らしていた。
しかし、ミルカは幻覚を見るようになる。。。。

ユーリクも連行され・・・・薔薇の僧院へ。
その薔薇の僧院では異常な実験がなされていた。
その僧院で暮らすヨリンゲルも幻覚に襲われるようになる。
何が真実か?自分は誰なのか?
罠か?自分は壊れてしまったのか?・・・・

**************************

薔薇と若者の融合・・・
まず最初の一章を読むとなんだかちっとも解かりません。
ヨリンゲルによる話は、ホラーなのか幻想小説なのか?
2章から、ミルカが語るポーランドの悲劇は、普通に読めます。
が、ミルカとヨリンゲルの話が交互になされ、ヨリンゲルの話の異常さ、そしてミルカの部分の話まで幻覚で見えなくなります。
最後にはキチンとミステリーしてます。
訳のわからない幻想的な部分と歴史的悲劇。
途中、う~ん?、う~ん?と思いながら読んでましたが、読了後には、
うん!面白かった!と思いました。










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最終更新日  2005/01/20 03:19:36 PM
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