峠幾三のちいさな発見・旅模様

峠幾三のちいさな発見・旅模様

2006/03/24
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 夜の9時、フェリーを降りて東へ向かう。

 昨日まで本州だったのにもう北海道である。

 船で2日分くらい寝たので、元気一杯だ。


 今夜は、小樽から札幌、日高、帯広を抜けて釧路まで行く予定。のんびり行っても朝までにはつくだろう。しかし、雨が強く運転しづらい。


 札幌を抜けて山に入っていくとあたりは街灯も少なく暗くなった。


 暗い国道に並んでいる路肩を示す矢印が道の案内役。

 これを見るとますます北海道を走っている事を実感する。

 3月の吹雪の時にこの明かりがどれほど力強かったか。


 暗い道の先になにやら青い光。




     「 ホテル リバーサイド

 井上陽水の歌声が頭の中で流れ出した。

 本当に川沿いだったかは暗くて見えなかったが…。


 帯広市内で給油し、また走る。

 フェリーで寝ていたとはいえ、夜道の運転は疲れる。

 釧路市内まで行きたかったのだが、道の駅 しらぬか恋問 で力尽きた。

 ビールとラーメンで腹を満たして、車のルーフに降る雨の音も気にせず眠った。


 朝おきても雨は降り続く。


 コンビニでパンを買って朝飯にする。


 まずは、釧路市内の和商市場へ。ここは勝手丼が名物。ご飯を買って、自分の好きな具を乗せて食べる。自分だけの丼ができるのだ。



 パンも食べたし、やめとくかということで丼はやめて、気になった刺身(ミズガレイ、タラ)だけを一切れずつ買って食った。ミズガレイは今ひとつ。


 湿原に向かう。R391を北に走り左折。

 まずは、岩保木水門へ。

 ネットで遊んでいたときにたまたま見つけたのだが、妙に気になった。

 荒れた舗装路を進んでいくと見えた。

岩保木水門

 シトシト雨が降っている。観光客はいない。犬の散歩をしているおじさんが1人。

 挨拶を交わし、水門へ登ってみる。

 もう使われていないのかかなり傷んでいる様子。低い位置からだが、湿原が見える。もやもやしていてあまり見えない。

 しばし眺めた後、細岡展望台へ。

 山道を登っていくとあった。道に車を停めて行ってみる。

釧路湿原

 ゆったりとした川の流れが印象的だった。しかし、人が多く落ち着かない。

 そそくさとその場を去る。

 少し下ると駐車場が。どうも普通とは逆から来てしまったようである。

 もう少しのんびりしたかったのだが、雨の中歩いていて風邪でも引いたら大変なのでまた来れたら来ようと思った。

 1年前の青森で初日に風邪を引いて白神岳登山を断念した経験があるため慎重になった。


 さて、次は弟子屈に行こう。


 またR391を北上。まずは美幌峠!と思ったのだが、霧が濃く何も見えないので途中で引き返し、摩周湖へ。

 当然、摩周湖までの道も濃霧。

 しかし、突然霧が晴れた。

Scan10013.JPG

 写真がよくないので伝わらないだろうが、すごい景色だった。

 思わず、プラドのルーフによじ登り仁王立ち。道行く車は「何かあるのか?」と思ったかスピードを落としながら過ぎてゆく。そんなことも気にせず仁王立ちは続く。

 霧の隙間から緑が見える。屈斜路湖のほうだろう。


 存分に景色を楽しんで摩周湖到着。第3展望台から眺める。

 霧がものすごいスピードで過ぎてゆく。一瞬霧が晴れ、島がみえた。


摩周湖まで


しかし、あっという間にまた霧に隠れてしまった。霧の摩周湖と呼ばれるわけである。


 摩周湖のを見ることができて満足したので、R391から屈斜路湖畔に続く池の湯林道を走ってみる。

 林道に向かう途中、きつねに遭遇。

キツネ

 初めて見たのだが、思っていたより凛とした顔をしていた。


 林道に進入。雨もやんでいい感じだ。

池の湯林道


 しまったダートが続く。この道は紅葉がいいらしいが、まだその気配すらない。

 途中のキンムトーに寄ってみた。小さな沼だ。アイヌ語で「山の上にある神秘的な沼」というような意味らしい。


キンムトー

 蒼い水。

 もやのかかる木々。

 その沼は静寂に包まれていた。

キンムトー

 まるで時間が止まっているように感じる。


 時間を忘れてボーっとしていたのだが、ふと気づいた。

「熊が出るかも…」
 1度、熊にかじられる自分を想像してしまうと、静寂がどうのこうの言ってられなくなった。

 ダッシュで車に戻る。


 ほっとしてまた車を走らす。


 中標津の養老牛温泉の奥に無料の露天風呂「からまつの湯」があることを調べていたので行ってみる。

 ダート(といっても舗装前なのかかなり整備されている)を走り到着。


 脱衣所があったのでそこで服を脱ぎ入る。

 他には数人。

 地元の人がいるらしく、とうもろこしを温泉で茹でていた。1本もらってご機嫌だ。


 さっぱりしたところで、ライダーのメッカと言われる開陽台に行ってみる。


 開陽台は小高い丘のようだった。

開陽台


 ほぼ 360度のパノラマ


 広い…。


開陽台


 こんな景色は生まれて初めてだ。

 もう何も言わないほうがいいだろう。


 結局他の人が帰って1人になるまで大地を眺めていた。


 開陽台を出て、中標津で夕食の買出し。


 スーパーで発見、ラム肉。

 10切れくらい入って通常の半額150円。

 今日は焼肉に決まり。

 しかし、炭しか持っていない。フライパンはあるが、おいしくないだろうな。

 よし、バーベキューセットを買おう!?


 足を運んだのは百円均一。

 ステンレスのボールと小さな網を買った。

 この中で炭をおこし、焼肉をしようという考えである。


 今日の宿泊地は野付半島。

 うまくいけば朝焼けが見れるかもしれない。


 野付半島のパーキングに車を停めて焼肉の準備。


 アスファルトにボールを置いて炭を入れる。

 固形燃料で炭をおこしている間に、焼肉のタレを買うのをケチったのでタレを作る。

 醤油に酒を混ぜて出来上がり。作るというのはおかしいかもしれない。混ぜただけなのだ。


 ネギなど野菜を切って盛る。白菜と味噌、塩で汁も作った。


 さて、夕食の時間だ。


 安かったがラム肉は最高!

 即席のタレもあっさりしていてなかなかいい。


 これで星でも見えたらますますいいのだが、相変わらずの曇り空。

 そんなにうまくいくはずがない。


 酒もまわりいい気分になって片付けが面倒になった。

 全部車の下に押し込み、明日の朝片付けることにしよう。


 最高の気分で眠りに誘われた。





















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最終更新日  2006/03/24 07:33:23 PM
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Re:初秋の北海道の旅 part4 小樽~(03/24)  
Tokoの夢  さん
きつねすごく近いですね!
さすが林道。
キンムトーは神秘的だし摩周湖の霧の晴れ間も
すばらしい景色&写真ですね☆
(2006/03/24 08:49:13 PM)

Re[1]:初秋の北海道の旅 part4 小樽~(03/24)  
峠幾三  さん
Tokoの夢さん
>きつねすごく近いですね!
>さすが林道。
>キンムトーは神秘的だし摩周湖の霧の晴れ間も
>すばらしい景色&写真ですね☆
-----
キツネはなぜか車の横にまでやってきました。人に慣れていたんですかね。
キンムトーは天気が悪くてよかったような気がします。もやもやがなんともいえませんでした。

機会があればまた行って見てください。普通車でも十分走れる林道ですから。
(2006/03/24 08:54:07 PM)

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