コーチ賢ちゃんの「コーチング談義」

コーチ賢ちゃんの「コーチング談義」

2022年04月07日
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テーマ: いじめ対策(10)
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​4.考察
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​​ ◆三ケ日東小学校の成功要因 ​​

​【校長先生の強力なバックアップ】 ​​
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・山口権治先生の提唱するピア・サポート活動の導入を決意し、養護教諭の田口かな子先生を「ピア担当」に任命

・クラス担任の出張などで空いた時間(隙間時間)を利用して、田口先生が「ピア・サポート研修」の実施を提案した際、これを許可して、各クラスへの浸透を促した

・先生方の新たな提案を受け入れ、「結果の責任は私が取る」と励まし続けた

・これが「職員室の中でのピア・サポート活動」の実践を促した

・同級生で親しい間柄(同じ志)の、佐藤校長から石田校長へ、「阿吽の呼吸」によるスムーズな引継ぎができた
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この件に関して、生みの親の佐藤匡子校長先生は、このように語っておられます
 一人ひとりの子供の心に寄り添い、人と人とのつながりを大切にした指導を、どの教員も、日々、当たり前のように行っていたことで、子供にピア・サポートの素地が作られていたと思います。
 また、全力で子供の指導をしている教員に対して、子供に向き合う時間を十分取れるよう業務の負担を減らす働き方改革を常に念頭に置き、できることから実行していきました。 
 少しずつではありますが、教員に心の余裕ができたのではないかと思います。
 更に、先生方のチームワークがとても良く、職員室での会話が、まるで家族の会話のようでした。
 安心して何でも声に出して言える職員室で、ベテランの教員が若い教員の思いや悩みを受け入れ、しっかりとサポートしてくれていました。
 今思えば、職員室でも、自然な形でピア・サポートが行われていました。
 子供たちにピア・サポートが浸透したのも、この教員の姿を子供たちが見て育っていたからではないかと思います。』
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育ての親の石田直美校長先生は、謙虚に次のように語っておられます
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 『私は成功だとは思っていませんが、現状に至った要因は、「人」と「根拠」にあると思っています。
 「こういう子供にしたい」「この子にこういう力を付けたい」という思いや、「やってみてもいいですか?」「もっといいことは?」という気概と向上心を持った「人」が集まっていること。
 そして、「こういう指導法があります」「この先生の講義を聞いてきた」という知識や、「こういう調査結果です」「データーはこうです」というエビデンスで「根拠」を明確にする習慣ができてきていること。
 この空気感が、本校の職員の文化になって「職員室の中でのピア・サポート活動」を支えており、更にこれが子供たちや地域に伝わり始めているのではないでしょうか。』
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※この空気感が分かる例として、2020年の「コロナ禍での修学旅行」のエピソードを別紙で紹介します
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​【ピア担当の田口先生の熱意と努力】 ​​
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・ピア担当として、クラスを持たない養護教諭という立場から、ピア・サポート活動の校内展開に向けての計画づくり、実施、評価を、5年間コツコツと継続し、ノウハウを積み上げてきた

・健康委員に、ピア・サポーターの称号を与え、緑のベストや黄色のTシャツを着用させて、常時活動化を推進してきた 
(挨拶運動、昼休みの声掛け・取材・放送での善行の紹介、ピアだよりの発行など)

・これにより、ピア・サポーターは児童のあこがれの的となり、「ピア・サポーターになりたい」という児童が増え、ピア・サポーター自身のモチベーションも高まった

・導入3年目には、ピア・サポート活動の中心を、他の先生方に譲り、写真係となってサポート役に徹することで、組織的・継続的に発展するための基盤を築いた

・これらの貴重な実践体験を、日本ピア・サポート学会主催の「ピア・サポートトレーナー養成講座」や、モラロジー道徳教育財団主催の「道徳教育研究会」で発表し、ピア・サポート活動の普及に大きく貢献した
(三ケ日東小学校の認知度を高めることになった)
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​​ 【先生同士のピア・サポート活動】 ​​
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・校長先生・教頭先生の強力なバックアップと、田口先生の努力で、「ピア・サポート活動で変わっていく児童の姿」を目の当たりにした先生方も、この活動を「自分事」としてとらえるようになり、活動を楽しみながら行うようになった

・山口先生からの指導を受けて、田口先生が作った「指導案」を、各部の先生方が見直し、主体的にバージョンアップを図り、進化を重ねてきた

・その結果、先生同士が職員室の中で、アイデアを出し合い、支え合う「ピア・サポート活動」を実践することになり、この空気(先生方の発するオーラ)が、児童に伝わっていった
​【地域の皆さんの支援と児童の恩返し】 ​​

・「学校運営協議会」や「学校保健委員会」を通じて、地域の人たちや保護者にも「ピア・サポート研修」に参加してもらっており、活動内容を理解し応援してくれている
 (コミュニティースクールとして、地域からの手厚いサポートが得られている)
 ①作品展示会に地域の人たちが作品を提供
 ②玄関を飾る花の苗の提供



  (車にステッカーを貼って)
 ④ボランティアによる学科の「学習支援」「生活・総合支援」
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・子どもたちも地域の皆さんに恩返しをしている
 ①三ヶ日みかんのPR(浜名湖サービスエリアで)
 ②近隣のお年寄りへの手紙
 ③地域の皆さんへの挨拶
 (校長から5・6年生へ「あいさつにプラス一言を!」)
  児童の「こんにちは、お仕事頑張ってください!」
  ⇒ 農作業中の方から「“仕事を頑張ろう”と力が沸いてきた」とお礼の言葉
 ④3年生が福島ひまわり里親プロジェクトに参加
 (ひまわりを育て、種を福島へ)
  ⇒ 「人にやさしい活動」と認められ、小さな親切運動で表彰された
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・その結果として児童の心に、人の役に立つ喜びや自己有用感が育まれている
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​◆編集後記​

 ピア・サポート活動の「生みの親」佐藤匡子校長と、「育ての親」石田直美校長が築き上げてきた輝かしい成果を、今後も継続して発展し続けていって欲しいと願うばかりです。

 ピア・サポート活動に関する、より詳しい情報は下記にお問い合わせいただければ幸いです。

 浜松市立三ヶ日東小学校  〒431-1402 浜松市北区三ヶ日町都築2266-2
 TEL:053-526-7034  FAX:053-526-0393  
 ホームページ
  https://www.city.hamamatsu-szo.ed.jp/mikkabihigashi-e/index.html
​​​​​​​​(おわり)





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最終更新日  2022年04月07日 21時04分06秒
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