そして今日も日は過ぎる

2004/01/21
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カテゴリ: 司法関係覚書
 以前ちょろっと書きましたが、司法修習所から宿題が出されています。科目は刑事弁護。

 所謂冤罪事件について、自白偏重の危険性に留意して欲しいということですね。
 よく「やってもいないことを自白するはずがない」とか「かつてはともかく現在は冤罪などありえない」という意見を耳にしますが、さにあらず。
 やってもいないことを自白してしまう事などざらです。そもそも警察の捜査はその職業的使命感からかなり厳しいものになります。それこそ連日連夜ずっと取調べがなされるわけで、気の弱い人は簡単に心理的に追い込まれるわけです。
 なかなか家族に会えないし、知らないと言い張っていても警察官や検事は厳しく追及してくる。自白してしまえばとりあえずこの厳しい取調べからは逃れられる。それでついふらふらと捜査機関側の望むような事を言ってしまう。そんな感じですね。
 もうひとつ冤罪事件が起こるのは、警察が杜撰な捜査を行うのが原因と思われるかもしれませんが、それも正確ではない。警察が真面目にそれこそ真剣に使命感から捜査をしていても冤罪事件が起こることがあるのです。
 その原因は『あたりをつけていること』で、こいつが犯人ではないかと目星をつけていることが、事件の真実を探るにあたって煙幕になってしまうことがあるのです。そしてそれ故に自白を得ようと躍起になり、結果として冤罪事件になってしまうケースがある。
 このような事態を避けるべく憲法及び刑事訴訟法には、任意でない疑いのある自白の証拠能力を認めない自白法則(憲法38条2項、法319条1項)を定めており、また被告人に不利な証拠が自白のみである場合に自白の証明力を否定する補強法則(憲法38条3項・法319条2項)が定められているわけですが、それでもやはり冤罪は起こってしまう。

 ではどうすればいいか。物的証拠を重視していけばいいのです。現在でも犯罪科学捜査技術は進歩を重ねているわけで(それ故相対的に冤罪事件は減っているわけです)すから、これがもっと進歩して自白などなくても明白に事実を明らかに出来るようになればいいわけです。
 将来法曹となる者としても論理的な思考力を身につけ、冤罪事件が発生しないよう注意していかなければならないと、判決を読み進めていく過程で実感しました。
 これを実感させる事が宿題を出した意図なのかな?とちょっと思っています。
 今日、こんなことを日記に書いたのは、別に書くことがないからではなく(ほ、本当だってば!)、明日の日記の為の伏線です。詳細は明日(笑)。





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Last updated  2004/08/21 11:05:02 AM
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聖書預言@ Re:8番出口(05/01) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
剣竜 @ パク・チャヌク監督作品 ocobaさんへ その2つの映画,評価高いよ…
ocoba@ Re:殺人の追憶(03/04) 韓国映画では、パク・チャヌク監督の「オ…
剣竜 @ Re[3]:投票義務制の問題点(11/10) サムスさんへ いえいえあまりお役に立てず…
サムス@ Re[2]:投票義務制の問題点(11/10) 剣竜さんへ ありがとうございます!

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