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2005/05/18
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カテゴリ: 出産・育児
(高齢出産の罠の続き)

の1月2日。今のところ薬で血圧も安定している。
朝食→胎児心拍モニター→昼食→シャワー→夕食→就寝、その合間に血圧測定、9階のみの安静という生活が始まった。夫は退屈しないようにと、文庫本、絵本、スケッチブック、色鉛筆など持ってきてくれた。
私にできることは、気持ちを楽にして安静にしていること。

ベッドの上で起き上がって雑誌を見ていると、看護婦さんに安静にしていてくださいと注意される。
ベッドに横になる。すると、よくないことが頭をよぎり涙がでてくる。正月に病院のベッドで一人、感傷的になる。万が一を思うと、もしも子供だけ助かったとしたら、なんと子供が重荷を背負うことになってしまうだろう、など考えてしまうと、つらい。
―悲観的になるのはやめよう。
きっと、何もかもうまくいく―

それからは、子供の名前を考えることにした。大体のところは決まっていたが、画数を考えると違う漢字を使おうかと迷っていたので、パズルのように色々な漢字を当てはめては時間を過ごした。


祈る気持ち。どうか…

1月4日夜の11時過ぎ、いつものように看護婦さんが血圧を測りにくる。何度か測りなおして「頭痛くないですか?目がチカチカしないですか?」と聞かれる。血圧が上昇したらしい。医師が診にきて血圧を下げる点滴が始まった。医師から「おそらく明日帝王切開になるだろうから」と飲食を止められる。体が熱く、首筋がパンパンに張っている。咽が渇くが水分も止められている。しばらくして再び血圧測定。まだ下がらないらしい。点滴の目盛りを上げていく。

お腹をなでて「がんばろうね」と何度も声をかける。
長い夜だった。

翌朝個室に移される。病院から呼び出された夫が付き添う。
更に首筋が張って、頭はぼうっとして、体は熱くふらふらする。咽が渇くが水分はとれない。濡れタオルを顔にあてると少し楽になったような気がする。夫がそばにいるが話す気力が出ない。夫がナースステーションで氷まくらを借りてきてくれて少し楽になった。
主治医と麻酔科の医師がやってきて手術の説明をする。

1時30分。手術室へと移動となる。
移動の際、ベッドからぬけるような青空が見えた。
2時20分―手術台から時計を見る。
背中に麻酔をうつ。脊椎麻酔と硬膜外麻酔だ。何度か声を掛けられ麻酔が効いたのを確認すると手術が始まった。器具のカチャカチャいう音と医師の話し声だけ聞こえてくる。

それから、小さな我が子が助産士さんに抱かれて目の前に連れてこられた。「元気ですよ、女の子ですね」と助産士さんが言った。小さな小さな赤ちゃんだった。
涙が溢れてきた「ありがとうございました」とやっと言うと「では検査などありますから連れていきますね」とすぐに目の前から連れていかれた。
ほっとした。

4時過ぎ個室に移された。
頭を持ち上げてはいけないと言われ、身動きのできない体勢。足は術後肺塞栓予防のため弾性ストッキングと、自動のマッサージ機がつけられ定期的に圧力がかかるようになっていた。


一人になってしまった。
すべては終わったのだ。
無事にこの世に誕生したのだ。
昨日とは違う今日が始まった。

体調の方は相変わらず頭が重く、首筋が張り頭はぼうっとしている。夫が「少し眠った方がいいよ」と言ってくれたので頷いて目を閉じるが、眠った瞬間に鼾をかいて、その音に自分で目を覚ます。その繰り返しでちっとも眠ることができない。自分の鼾で眠れないなんて滑稽で悲しく、しんどい。痛み止めは効いているものの体を動かすとやはり痛い。身動きのできないまま、一瞬寝ては覚めるの繰り返し。悪夢のようだ。
面会時間が終わると夫も帰り、また長い夜となった。

病院の夜は特別だ。静かにゆっくり悲しいほど正確に時が刻まれるような気がする。
自動マッサージ機の空気が入るシューシューという音と空気が抜けるプシューという音が定期的に響く。
お気に入りのCDを繰り返し聴いた。
咽がからからに渇いて、お水、コーヒー、お茶、ココアを飲むこと想像する。飢えるとは、欲するとはこんな気持ちなのだと実感する。確か朝にはお茶が飲めると言われた気がする。それまでの辛抱だと何度も思う。
点滴の目盛りを確認にきた看護婦さんが「口をすすぐと少し楽になるかもしれませんよ」と言って水のみと寝たまま出せる桶を持ってきてくれた。
水のみの水はとても冷えていて、飲み込むことはできないけれど、それはそれはおいしい水だった。生き返った感じ。
ほんとうに、そのときの看護婦さんが天使に見えた。
そうして、長い夜が明けた。(その三に続く)






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Last updated  2005/05/18 01:11:36 PM
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