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cozycoach @ Re:徳川忠長 兄家光の苦悩、将軍家の悲劇(感想)(11/20) いつも興味深い書物のまとめ・ご意見など…
2013.05.21
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 密教は秘密の教えを意味し、通常の仏教が広く民衆に向かって開かれ世界観を明瞭な言葉で説くのに対し、非公開的な教団の内に自己を閉鎖し秘密の教義と儀礼を師資相承によって伝持しようとする秘密仏教です。

 ”密教”(2012年11月 筑摩書房刊 正木 晃著)を読みました。

 密教の定義にはじまり、インド・チベット・中国、日本における歴史・思想を概説し、伝統的な密教教学を分かりやすく解説しています。

 かつて密教といえば空海を開祖とする真言宗のいわゆる東密や、密教を導入した日本天台宗のいわゆる台密を指していました。

 近年、インドやチベットにおける仏教思想の存在が認知され、現代ではそれらも合わせて密教と総称するようになっています。

 正木晃さんは、1953年神奈川県生れ、筑波大学大学院博士課程修了、国際日本文化研究センター客員助教授、中京女子大学助教授、純真短期大学教授を経て、現在、慶應義塾大学文学部・立正大学仏教学部非常勤講師で、日本密教・チベット密教を研究しています。

 密教はむずかしく、いわゆる鎌倉新仏教とは比べものにならないくらい複雑で精緻な構造をもっています。

 鎌倉新仏教のように、念仏や題目や座禅の1つでよいとするのでなく、密教はすべてを統合しようとしています。

 仏教を精神や心と呼ばれる領城に閉じこめず、霊肉一如の理論を主張し、修行や儀礼において身体の領域から働きかけて精神の領域の変革を試みようとします。



 そこで、密教の定義にはじまり、インド・チベット・中国における密教の歴史・思想を概説し、日本の密教をインド以来の仏教史全体の中に位置づけ、伝統的な密教教学をできるかぎり分かりやすく解説しています。

 また、マンダラの理論と実践、チベット密教の性的ヨガをふくむ代表的な儀礼・修行についても詳細に解説しています。

 最後に、密教の手引きとして、寺院案内とブックガイドが添付されています。

 寺院を訪ねれば、いまでも生きている密教を体験できるそうです。

 ブックガイドは現時点で入手できる文献がほぼ網羅され、参考文献一覧を兼ねて掲載されています。

第1章 密教とは何か
    密教の定義/インド密教/チベット密教/中国密教
第2章 キーワードで考える日本密教
    密教と顕教/雑密・純密・左道密教/即身成仏/三密加持/十住心/真言/不動信仰
第3章 マンダラの理論と実践
    マンダラとは何か/胎蔵マンダラ/金剛界マンダラ/両部不二

    月輪観と阿字観/虚空蔵求聞持法/五字厳身観と五相成身観/四度加行/後七日御修法
第5章 日本密教を知るための手引き
    訪ねてみたい密教寺院/さらに深く密教を知るためのブックガイド
補 遺 修験道の世界






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Last updated  2013.05.21 19:19:12
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