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January 10, 2006
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カテゴリ: カテゴリ未分類
故三浦綾子さんの作品は、かなり読んでいるkoalaですが、
昨日、ブックオフで、読んでいない本を見つけました。
『白き冬日』という短歌について書かれたエッセイ集で、
有名、無名な人の短歌もたくさん載っています。

敬虔なクリスチャンとして生きた三浦ファンは多いので、
ご存知かもしれませんが、三浦綾子さんは病気の多い方でした。
若い頃に13年間、肺結核と脊椎カリエスのため
療養生活を送ったことは有名です。

その三浦さんは、のちに大腸癌にもかかるのですが、

次のように書いています。『人間としての義務』の言葉が衝撃的でした。

私は病める人の歌を読んだ。そして私は、そこに過酷な人生の余りにも多い事を知った。健康な人々は、この病める人々の人生と無縁であってよいのだろうか。私たちの行く手に、病むという人生が待っていないとは限らない。たとい一生健康であったとしても、同時代に、たった今、こんなに苦しんで生きている人があることを知ることは、人間としての義務ではないだろうか。


こういう感覚が、三浦綾子さんなのだと改めて思いました。
そして今、この言葉は全く正しいと感じています。

例えば、こんな短歌が載っていました。

女中にゆけといはれる妹よ退学せよといはれる弟よわが医療券のために

医療券というのは、敗戦直後、貧しい病人に発行されたもので、
作者の申請を受けた町内会長が、金がなければ妹が女中に行けばいい、
弟だって学校など退学させろと言い立てたのでしょう。
闘病の苦しさに加えて、家族が犠牲になっていく辛さを歌っています。

その後、政治的に療養費が削減されて座り込みした患者の歌もあります。

今は国会に実力行使せねば嘆願通らぬか
座り込めばホースの水浴びるらい患者


嘆願で座り込む患者に、水を浴びせるような時代があったのですね。
こういう辛さを知ることは『人間の義務』だと三浦綾子さんは言うのです。

『知る』という言葉に値します。『無知・無関心』はいけないことなのです。

koalaが三浦綾子さんの短歌で一番好きなのは、
闘病中に亡くなった恋人の前川氏を歌ったものです。

妻の如く想ふと吾を抱きくれし君よ君よ還り来よ天の国より

前川氏は、三浦さんの幼なじみでした。
敗戦で虚無的になり、その後の寝たきりの闘病生活にあった三浦さんに

前川氏は肺結核で亡くなってしまったのです。

次々と挽歌が生まれて一年が過ぎた。そして現れたのが三浦であった。その三浦が、臥したままの私を待って、5年目に結婚してくれた。
本の中の三浦さんご自身の説明です。

あとがきの中にあるこんな解説(?)に心が安らぎました。

病む吾の手を握りつつ睡る夫眠れる顔も優しと想ふ

と歌わざるを得ない優しい夫との毎日は幸せすぎて、
わたしは歌を忘れて行った。

三浦綾子さんは、平静11年に77歳で亡くなりました。
機会があったら三浦さんの小説、エッセイをぜひお読みください。






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Last updated  January 10, 2006 11:41:13 PM
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