ネガったりポジるんだよ!

ネガったりポジるんだよ!

PR

Profile

ドリンク0638

ドリンク0638

Calendar

Category

Favorite Blog

脈脈堂堂 一人歩きさん
"A" sweetfish7さん

Comments

ドリンク0638 @ いるす コメント遅くなったね・・・ やりすぎ…
いるす@ ちょまっ やりすぎだw
ドリンク0638 @ うほ。 奇襲はよせ。。 前もって連絡を・・・…
ユタカ@ 一人暮らしは… ハッピーライフだ!!! 奇襲する!鍵…
ドリンク0638 @ ありがっとぅ! 応援メールとか期待していい? 非常に…

Archives

Nov , 2025
Oct , 2025
Sep , 2025
Aug , 2025
Jul , 2025

Freepage List

May 24, 2007
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
あ・・・
帰りにコンビニ寄ってくるの
忘れた・・・

スタート

まーいいかー。。

RE:スタート

3人の男とひとりの女が火を囲んで座っている。
目の前で肉がじゅうじゅうと美味そうな音をたてて焼けていく。

「ねぇねぇねぇ。もし無人島におれたち3人と君しかいないとしたら

坊主頭の男が女に尋ねた。

「やめてよ。そんな質問」
女が面倒くさそうに言う。

「なんでだよぉ~。いいじゃん、答えてよ~」
坊主頭がはしゃぐ。
「ちなみにおれはねぇ、実家の寺の跡取り坊主なんだ。檀家が
 星の数ほどいるような超メジャー級の寺よ。
 ちなみに愛車はポルシェ。どう、どう?」

「仏様・・・ねぇ」
女の顔つきが少し変わる。
「まぁ、ちょっといいかもねぇ」


小太りで七三に髪をわけた男がハンカチで顔の脂を拭いながら言った。

「実は僕、年商十億円の巨大飲食店チェーンの社長なんです。ホントです。
 毎晩、美味い料理とパーティーざんまいのセレブ暮らしです。
 欲しいものは何でも買ってあげられますし」

「何でも買ってくれる・・・か」


「はい!はい!今度、おれおれ!」
威勢良くモヒカン頭の男が手を上げた。

「おれはねぇ、ミュージシャンの卵!甘いラブソング作るよ!
 今はお金ないけどさ、いつか必ず売れるから。どう?ねっ、ねっ!」

「ああもう・・」
女がうなだれた。

「何?その無駄な元気・・・。あんた見てるだけで、ホント疲れるわ」

「えっ・・・だめ?ね、ちょっとだけ聴いて。いい?
 ばんざぁーい、君をー、好きで・・・」
モヒカンが歌いだす。

「うるさいってば!あんたは黙ってよ!もう!」
女が乱れた髪をかき上げて、前髪の隙間からモヒカンを睨んだ。

「いっひっひ。怒られてやんのーっ」
坊主が笑う。

「なんだよ。ちぇっ、ギターがあればもっと上手く歌えんだぜ・・・」
モヒカンが舌打つ。

「まぁ、まぁ。ここはひとつ、ねぇ。穏やかに」
七三が場をなだめた。

「・・・穏やかにぃい?」
女が今度は七三を睨む。

「あんたも鼻につくのよねぇ。なんか変に大人ぶってさぁ。
 私はデキル男ですってかぁ?バカじゃないの?
 金がなかったら無能なくせに」

「えっ・・・?いや、あ、あの・・・」
七三がたじろぐ。
「・・別にお金で何でも手に入るなんて、
 お、思ってなんか・・・いないですけど」

「いっひっひ。また怒られた~」
坊主がはしゃぐ。

「ってことは、おれの勝ちかな?これも日頃の精進のおかげかなぁ。
 仏様に感謝の気持ちを・・・」

「ねぇ、あんた」
手を合わせて天を仰ごうとする坊主を、女が低い声で制した。

「ねぇ、仏様ってのがもし本当にいるならさ、
 今すぐここに連れてきてよ」

「え?」坊主の目が点になる。
「こ、ここに?・・・今すぐ?」

「そう、今すぐ。そのために毎日、修行してるんでしょう?」
女の目は本気だ。

「いや、仏道ってのは、教えであって、人が正しく生きるための・・・」

「つべこべ言ってないで、仏様を、連、れ、て、き、て!はやく!」

場が一瞬静まる。

「お嬢さん、あのう・・・。立ち入ったことをお聞きしますが・・・」
七三が神妙な面持ちで口を開いた。

「な、なにか・・・髪や仏にでもすがりたいような深刻な悩みでもおありなんですか?
 僕で良かったら、ご相談に・・・のりますけど」

「はぁ・・・?」
女が七三に向き直って怒鳴る。
「だから、あんたのその大人ぶった態度がむかつくって言ってるでしょ!
 悩みがあるかって?当たり前でしょ!もう、悩み事なんてもんじゃないわよ!
 死んでしまいたいわ。こんな辛い毎日なら・・・
 あたし、今すぐにだって・・・死ん、で・・・」

女がわっと泣き出した。

「ど、どうしたんです?急に・・・」
モヒカンが女の肩にやさしく腕を回して言った。
「楽しくやりましょうよ、ね。楽しく!」

「触らないで!」
女がモヒカンの髪を鷲掴みにした。

「あたしに近寄らないで!」

そのとき、女の背後で火の灯りを反射して獣の目が光った。

「ぎゃっ!なんかいる!」
七三が跳び上がって走り去った。

「えっ、ど、どこっ?」
「うわぁ!」
坊主もモヒカンも続いてどこかへ走り去っていった。

「ったく・・・」
女が振り向くとコウモリが天井からぶら下がって佇んでいるのが見えた。

「コウモリくらい何よ・・・」

静寂が流れる。

「誰があんたたちなんか・・・。この島に流れ着いてもう何日も
 助けはこない・・・島に人影もないじゃない・・・」

海上に墜落した旅客機から奇跡的に助かったこの4人の男女は数日間の
漂流の末にこの島にたどりついた。

砂浜に面した崖にあった小さな洞穴の中で火をおこし、
どうにか食いつないで救助を待つ。毎日がその繰り返しだ。

「あぁ、もう!」
女は傍らにあった猪の死骸から力まかせに生肉を剥ぎ取って火の中へ放り込んだ。
この猪も女が数日前に落ちていた木片で叩き殺したものだ。

「あたしたちは助かる保障もないのよ?わかる?生きるって、

仏にすがることでも

お金にすがることでも

夢にすがることでも

ないわ。

ホント、男って無意味なものしか持っていない生き物ね・・・





最後ちょっと、デフォルトしてみた。。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  May 24, 2007 11:34:31 PM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: