sweet pepper cafe

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隠れ家 「玉響」


密集した住宅の間にポツポツと古いビルが立つ。
そのほとんどのビルは、卸売りの会社が倉庫や工場として使っている。

その中のひとつに「玉響」はある。

道路に面したところに、古い電柱のようなこげ茶色の木に小さな白い明かりが燈る。
そこには流れるような筆文字で「たまゆら」と書かれている。
そのビルは古く、まさかここにジャズの流れるおしゃれな創作和食の店があるとは誰もおもうまい。

そのビルの一階には卸売りの会社が入っていて、まるで留守中の会社にそっと忍び込むかのように共同の玄関を入る。
その奥には小さなエレベーターがあり、その扉が開くと所々剥げかかった真っ黒な壁に裸の蛍光灯が私達を迎える。
「まさかこんな所にお店が?」
ここまで来て不安がこみ上げる。

しかし次に扉が開くと。。。

静かにスタンダードジャズが流れ、古民家の廃材と思われるバラバラでありながら暖かい色をした木の梁や引き戸などで統一された雰囲気は、センスがいいとしか言いようが無い。

ここは予約のみで営業している。
予約の際に、食事の予算、食事を取る人の年齢層、好き嫌い、食事量まで聞き、最後に何故この店を知っているのか?と聞く。
マサに隠れ家。

ゆっくりと一皿ずつ出されるその料理は、季節のものに時間と手間をかけていることがよく判る。
ここの料理には、日本酒が良く合う。
一人ひとりに違う猪口に注がれた、うすい琥珀色の日本酒が店の優しい照明で光っている。


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とにかく、お店の雰囲気だけで酔ってしまいそうなくらい素敵なところ。
完全予約制で、わかりにくい場所というのも、隠れ家的な気分を盛り上げてくれる。
食事と会話にじっくりと時間をかけて雰囲気を楽しむのならばおすすめ、今夜だけは特別な自分になった気分になります。
私は、本当に特別な人と特別な時にだけ行くことにしています。


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