口美庵　kuchimi-an　～シドニーゲイの日々

vol, 203 「Yの悲劇」

日本に私の友達でY子ってのがいるんだけれど、これが凄いやつでいつ会ってもいい感じに酔って出来上がっている女なの。夜に電話をすると必ずどっかで飲んでいるか、食ってる。ホントに。バー、ラウンジ、ラーメン屋、すし屋、ファミリーレストラン、居酒屋、etc...『今家にいるの～』　なんて聞いたことがない。ﾏｼﾞで。私が日本に行って待ち合わせしたときも、直前までどっかで飲んでた。それでも誰よりも飲むし、食う。私ではまったく歯が立たないツワモノ。一昔前に流行ったオヤジギャルとは彼女のためにある言葉なのだ。その昔私と彼女ともう一人のゲイちゃんと食事に行ったときお店の女の子に 『ゲイ二人とニューハーフの客』 と言われてたらしい。で先日私の友人がY子と久しぶりに会って、一緒に夜遊びすることになった。知る人ぞ知る、東京のアゲハへ。彼女は踊り狂うのが好きなのだ。夜の11時に待ち合わせ場所に現れた彼女はすでに泥酔状態だったらしくしかも何を血迷ったかすっごい高いハイヒールを履いてきていたらしい。これからクラブに踊りに行こうというのに。もちろん彼女はそんなことも気にせずに ( ﾟ∀ﾟ)ガハハと笑うばかり。普段でさえ大きな声なのに、酔うとそれが倍増する。そしてアゲハに入る直前に、Y子は思いきりつまずいてしまい、そのすっごい高いヒールがきれいにパックリと壊れてしまった。このままではまずいと、代用になるものを探しに友人がコンビニへ。そしてそれしか売ってなくって、友人が仕方なく購入したもの－－－『健康サンダル』　 ﾅﾝﾄ! (ﾟﾛﾟﾉ)ﾉ一家に一足、ありましたよね、イボイボのついた、つぼを刺激する。室内用のそれを彼女は迷わず履き、そしてめでたくアゲハご入場。彼女にとってはもうそんなことはどうでもいい、踊れればそれで幸せ。健康サンダルで徘徊し、飛び回り、踊りまくるニューハーフのような女。物珍しいのか、いろんな人から声がかかりまくっていたらしい。私も知らない人だったら声かけてるかもしれない。( ´_ゝ`) ｺﾜｲﾓﾉﾐﾀｻ ﾈ『血行がよくなってきたわ～』　となおも踊り続けるY子。酒をたらふく飲んで、健康サンダル履いて、踊りまくればそりゃ良くなるさ。そのまま調子付いて、友人ら一行は別のクラブへと移動。すでに朝。そこでもY子は止まらない。ずっとずっと飛び跳ねていたらしい。しかし、朝の10時半ごろ、Y子はトイレに行ったまま戻らなくなった。他のメンバーは一応男ばかりだったので、見に行くことも出来ず、ただただ心配しながら待つばかり。心配すると言っても、彼女の場合、他の人に迷惑かけてないか、床下で爆睡しちゃってんじゃないか、ぐらいのことで、彼女の心身を気にする人はあまりいない。そしてやっとのことで戻ってきた彼女が言うのには( ﾟ∀ﾟ) 『生理が始まったけどティッシュ詰め込んできたから大丈夫だわ～』( ´_ゝ`)( ´_ゝ`)( ´_ゝ`) ･･･詰め込んじゃったのねあまりに血行が良くなり過ぎたのか、なんと生理を促してしまったのだ。それにも動じず、ティッシュを詰め込んでくるなんて！ありえない、はい、ヽ(*´∀｀）ノ にゃにゃにゃにゃ～～～～～～～～いけれども、さすがにティッシュでは完全に出血を抑えきることは出来ず、30分後に後ろ髪を引かれる想いで帰って行ったらしい。（普通すぐ帰る）暗くて分からなかったけれど、ジーンズに血がついてるんじゃないかと友達はそればかり気がかりだったらしい。( ´_ゝ`) ｱｲﾂﾅﾗ ﾀﾞｲｼﾞｮｳﾌﾞﾀﾞﾛｳけれど、それより何より、健康サンダルがお気に入りになってしまったようで次回踊りに出かけるときも必ず持参する、とのこと。Y子ならやる、あいつならぜったいにやる。いや、やって欲しい。ついでにタン○ンも持参していただきたい。私の大好きな大切な友達、Y子。ずっと変わらずいておくれ･･･。注意：　東京近辺ならびに、東京のゲイイベントに参加される方々、地下鉄やクラブ内で健康サンダルを履き、取り付かれたように踊る女、一見ニューハーフにも見えますが、女。大声で笑う女を見かけた際には、恐れず温かい目で見守ってあげてください。悪気はないんです。（この物語はノンフィクションです。あ、喜劇でしたね、すんまそん。）これはＷの悲劇。なつかすぃー。お手数ですがワンクリックお願いいたします。