2006/06/29
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 2005年の1月8日から1月19日の間に

 フリーページにおいてUPしたものを

 再度ブログでUPしているだけです。




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 俺は男として

 そのオジサンを憧れを持ってみていたのかもしれない







 たかだか19歳のガキだったから

 そんなオジサンを漠然とだが











 そして、この奇妙な3角関係は

 12月のある日を境に変わっていく事になる







 金の無い貧乏学生だった俺は

 毎回のデート代は真知子の奢りであった

 真知子の部屋での飲食代も

 出した事は無かったし

 着る服に無頓着な俺に

 あれやこれやと買い与えてくれたのも

 真知子であった





 ある意味、ヒモ状態 








 バイト代の入った俺は

 真知子をデートに誘い出す




 「今日は俺が出すからねー」






 「本当? (笑 」


 「熱あるの? (笑 」









 「いつも出してもらってるからな・・・

        余裕ある時ぐらい出さないと」


 「俺、ヒモみたいだろ? (笑 」









 「やっぱり・・そういうの気になる・・よね?」


 「まぁ・・一応は・・男だしなー (笑 」









 「・・・ゴメンネ」








 「はい? 何で真知子が謝んの?」






 「kuzooちゃんのプライド傷つけたかな・・って」







 「あぁ~大丈夫だよ~俺プライド無いし (笑 」





 「・・本当?」






 「マジマジ!プライドじゃ飯食えないからなー (笑 」


 「今日は日頃の感謝を込めて・・・

      まぁ・・気の早いX'masプレゼントって事で」







 「それなら欲しいのあるんだけど♪ (笑 」






 「なに?」





 「指輪~」







 「たくさん持ってんじゃん!!」









 「いいのー♪」







 どんなの物買わされるのか

 少々心配していた俺が

 真知子に連れて行かれた場所は

 下北の雑貨屋さんだった

 そこで選んだ安物の指輪






 「そんなんでイイの?」






 「イイよ♪」









 俺の目から見ても

 すぐに判るような、そんな安物の指輪を

 嬉しそうに左手の薬指にはめる真知子










 「もっとイイ指輪持ってんべよ?」






 「イイのー」






 「そんな安物が・・・か?」









 「kuzooちゃんは女心が分からないよねー?」







 「うん♪ だって俺、男だし (笑 」







 「お金じゃないの!誰からプレゼントされたかが

              肝心なんだからっ!」






 「へー そなの?」






 「そうなの♪」









 それ以来

 真知子は仕事でもプライベートでも

 その指輪をしていた






 誰の目から見ても違和感のある

 その安物の指輪











 その違和感に最初に気がついたのが







 あのオジサンだった










 ある日いつものように

 真知子に呼び出され店に行く

 俺は自分の指定席に座り

 いつものように飲んでいると






 オジサンが現れカウンター奥の

 自分の指定席に座り真知子を待っていた

 ただ、いつもと違うのは

 俺が挨拶しても返事が無かった事

 若干の違和感はあったけど

 そんな事も気にも留めず







 『あぁ・・聞こえなかったのかな?』

 『今夜は真知子と帰れずか~まぁ・・しょうがないな♪』







 そんな風にしか思っていなかった

 その時までは・・・・・・。







 いつものように

 真知子がオジサンの隣に座る

 ただその日は、いつもと様子がおかしかった

 いつもだと2人静かに飲んでいるのが

 その日は、何かもめている様だった








 「・・・そうなんだろ?」


 「・・・違うわよっ!」


 「・・・・じゃないのか?」


 「・・・なら?どうするのよ?」






 よくは聞き取れなかったが

 やはり、もめているよう

 しかも時たま俺に注がれる

 オジサンの鋭い?むしろ、憎しみのような

 殺意にも似た眼光で睨まれていた








 『なんだよ?聞くなってか?』

 『聞かれたくなきゃそんなとこで話すなよ』







 その時は、まだそんな風に思っていた

 俺は鈍感なのかも知れない・・・








 すると、オジサンは立ち上がり

 俺のほうに向かってきた







 『トイレかな・・?』






 その店の作り上トイレに行く時は

 俺の席の後ろを通らないと行けない








 だから、そんな風に思っていた











 ドンッ!









 『あぁ?』







 俺にぶつかりトイレに行くオジサン







 『酔ってんのか?』






 オジサンがトイレから出てくる







 ドンッ!





 今回は明らかにワザとぶつかって来てるのが分かった

 文句を言おうとした矢先に・・・








 「こんな、小僧がイイのか?真知子っ!!」








 店中に聴こえるような大声で

 がなりたてるオジサン

 酒の勢いと怒りで取り乱しているようだった

 そりゃそうだ

 店の中で、そんなセリフ吐いてるくらいだから

 かなりの取り乱しぶり






 その時の俺は

 オジサンの取り乱しぶりとは裏腹に

 逆に冷静だったと思う









 『あっ!バレたんだ・・しかしヤバイなぁ・・

       店の中でそんな事言っちゃ・・・ダメじゃん・・』







 そんな事考えていたのだから







 俺の襟首をつかみ立たせようとするオジサン

 抵抗もせず立ち上がる俺











 「オジサンさ・・そんな大声出さなくても聴こえるからさ」


 「表に出ようよ」








 オジサンの肩に手をかけようとする俺









 「汚い手で触るなっ!」







 一喝するオジサン








 「汚いのは分かったからさ・・表に出ようよ♪」







 「お前の言う事なんか聞くかっ!」








 ガキだな・・このオジサン








 それまでの漠然とした大人の男として

 憧れを持って見ていた俺のオジサンへの思いは





 その時に崩れた




 ただ逆に50過ぎの

 分別のついている筈のオジサンが・・・

 ここまで取り乱すほどに

 真知子を想う気持ちに

 ある意味、尊敬の念を抱き始めた






 ただ、







 その想いこそが

 その後、俺が真知子と別れる原因となるのである。





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 次回最終回!!






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Last updated  2006/06/29 04:17:51 AM
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