おはなしとは何か


昔話大学10周年記念大会(2002年10/5・6,東京)に参加してきました。昔話大学は、長年昔話研究にたずさわった小澤俊夫先生が一般の方を対象に全国各地で講義をしているものです。 現在札幌で基礎コースが今年の3月から来年9月まで1年半の期間で行われています。私自身は昔話大学を受講していないので多少の後ろめたさはありましたが、そこに集う方たちと少しでも交流が持てたら、との気持ちで行って来ました。ノルウェーとドイツからいらした口承文芸研究者の報告をメインに、遠野の語り手正部家ミヤさんの語り、全国昔話大学受講者による数々の語りが披露されました。
記念大会ではゲスト中心の講義でしたから、小澤先生のおはなしは御挨拶のための時間しかありませんでしたが、そのなかで絶対忘れないで欲しい事を話されました。一番強調されていたのが、

子どもにお話を与えたことで、その結果(感想や内容理解度)をもとめないこと

このことは読み聞かせをするときによく言われることですが、小澤先生はその理由を次の様に話されました。

大人は子どもがどう感じたか、とかどうわかったかを知りたがり過ぎである。子どもは生きもの。どう生きていくかは本人が決める。与えたおはなしが、いつどのように生きてくるかは子どもが自らくみ取っていくもの。読み聞かせや語りの重要さを教育界が認めてはやりになってきているが、この点をしっかりわきまえないと危険である。

 こどもにおはなしを与える者として、今一度肝に銘じて守っていきたいと思いました。
なお、小澤俊夫先生の資料『昔話が現代人に送るメッセージ』は、今年6月ラボ本部発行のLETTER TO LABO PARENT SPECIALにあります。なくされた方は小澤まで。

小澤俊夫氏とわたくしの夫-小澤-に家系的つながりはありません。(同じ神奈川県ですが)第102号 2002年11月




© Rakuten Group, Inc.

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: