PR
Keyword Search
Category
Freepage List
台座の「Lady on Eagle 」は E. PICAULT(1833年~1915年)フランスの彫刻家の作品だそうです
。
サインは見当たらないと以前書きましたが、よくよく見たら台座ではなく、ブロンズ本体の下方にサインらしきものが刻まれていました。
ティファニーランプ ポピーのランプシェード
セレブの愛した装飾ランプ Part 4
ティファニーランプ(Tiffany Lamp Shade) ポピー(poppy)
ティファニーランプの工作・・・ステンドグラス
ルイス・コンフォート・ティファニー(Louis Comfort Tiffany)
ちょっとおさらいから・・・。
ルイス・コンフォート・ティファニー(Louis Comfort Tiffany)(1848年~1933年)
ティファニーランプの考案者ルイス・コンフォート・ティファニーは ニューヨーク5番街にあるティファニー商会の創設者の長男
として生まれたお坊ちゃまでした。
彼が父の後を継がず、芸術、特に室内装飾の世界に道を進めた
のは、自身の才能もさることながら生まれ持った環境と、さらに父の工房にいた主任銀細工師ムーア親子の影響があった事です。
「本物を知るには本物に触れる事」・・これは骨董を扱う人には常識的な事
ですが、なかなか本物に触れる事のできない人たちに対して 、彼の場合は生まれてから本物しか周りになく、それ故本物の善し悪しが自然に身について育っている
事です。
その彼がもっと素晴らしい物を世に出そうとした・・・ 「建築とデザインの結合」その中で生まれた作品の一つが通称「ティファニーランプ」と呼ばれる電気スタンドなのです。
ポピー・ケシ・poppy

ランプの明かりのみ
ランプ台は今回オリジナルではありません。ブロンズ製の台座で「Lady on Eagle 」と言う名がついていたと思います。
当時のランプ台の一つは陶器と銀細工の組み合った重厚なもので、今手に入るレベルの品ではありません。おそらくシェードより遙かに高価。
部屋が暗いのであまり綺麗に撮影できませんでした![]()

このランプシェードはティファニースタジオが1906年に115ドルで販売
したデザインのシェードです。
因みに 前回紹介した藤のランプ。ショート丈の台座の場合1906年当時セットで400ドルで販売
されていたようです。
ポピーのシェードのデザイナーは
Mr.and Mrs. William Feldstein ,jr
今回も写真のシェードの制作者はもちろん私です![]()

ライトを付けると黄色になるバックガラスですが、ライトを付けていない時の淡いブルーが素敵なガラスです。(ブルーとイエローの混じったウロポロス社の大判1枚ガラスを使っています)
ルイスはガラスの開発も手がけています
。
少年の頃よりガラスに興味のあった彼は理想のガラス開発に情熱を注いでいます。
それは当時アメリカに輸入されるイギリスやバイエルンのガラスが、実は質が悪かった事、同時に 宗教改革後にステンドグラスのガラスの質が落ちたことに
もあるようです。
プロテスタント系ではバロックと違って着色ガラスやエナメル絵付けのチープなガラスになり(全てではないが)、従来の教会の荘厳なステンドグラスは近年消えつつあったようです。(近年は着色ガラスによるただのガラスのモザイク画に・・)
ルイスは、「ガラスの質感やガラスの持つ色味だけでガラス絵画に陰影をもたらしたい」・・・・ 中世以来の金属酸化物による加工で色ガラスを造り出す事を考えた
ようです。
そんな古式の方法を再考しての独創的な美しいガラスの開発・・。
だから ティファニーのシェードに使われるガラスは宝石のように美しい
のです![]()
大判ガラス(60×80cm位)の値段はファッション・リングと同等くらいのお値段になります。
幾つ指輪が買えたか・・なんてね・・・![]()

今回も付属のネットが必要になっています。これがないとポピーではなくシクラメンに見えてしまいます![]()
これもお値段が結構した? (忘れた)
付属品の必要なランプを造る人は少ないです。お金かかるし、面倒だし・・結構半田を乗せるのに気を遣いますから・・。(トンボに比べれば楽勝ですけど・・)
例によってシェードの裏側・・ネットの無い世界
ネットがないとつまらないでしょ![]()

繊細で芸術家で商売に関心の少なかったものの、装飾美術に関心を持ってから、その普及に向けてルイス・コンフォート・ティファニー・アンド・アソシエイテッドアーティスツを設立。
アメリカの上流社会の邸宅の装飾や劇場、等、他にホワイトハウスの装飾まで手がける程にデザイナーとしての国際的な名声も得
ています
。
ティファニー商会の幻の宝飾
品
家督を継ぐがなかったとはいえ1902年に ルイスの父チャールズ・ティファニーがなくなった後ルイスはティファニー商会の副社長と美術顧問に
なっています。
父の残した宝石コレクションを使用して ティファニーのジュエリーを造る工芸宝飾部門を設立。
ダイヤ、エメラルド、ルビーなどを使って 宝剣、宝冠、ティアラなど、芸術的高級宝飾品を彼も自ら制作して世に出した
そうですが、 アートジュエリーとしての域を超えていた
為値段も高すぎて1916年にその部門は採算があわずに閉鎖されているそうです。
一説には彼が亡くなるまで作品制作は続いた・・といいますが、人気のある宝石を使う・・と言うよりは彼の好む石で非常に 独創的な作品
をデザインしていたようです。
(ティファニー商会の商標で出されているので銘はなく、識別は難しいようです。)
何にしても、彼は自分の欲する物しか造りたくなかったのかもしれません
。
ティファニーのステンドグラスは終わりますが、いつか? パネル物のステンドグラスを紹介します。
追記・・・・台座についての質問を頂ました。質問では台座は「ピコー」のレプリカか? との内容。
コメント欄に返しましたが、実際私自身が台座のデザインがそんなに有名なデザインとは知ら無かったのです。
台座の「Lady on Eagle 」は E. PICAULT(1833年~1915年)フランスの彫刻家の作品だそうです
。
以前質問いただいた時は気付かなかったのですが、よーく見たらサインらしき文字がブロンズに刻まれていました。当初は大理石の台座しか見ていなかったので気がつきませんでした。![]()
シェード・ランプ用に造られているので、もしかしたら台座の会社が契約してデザインを買ったのかもしれません。
※ 時代的にはもともとシェード・ランプ用のデザインかもしれない。
品物は、輸入カタログから選んで購入した台座です。ブロンズの素晴らしい造りの割には格安であったと記憶しています。![]()
back number
リンク ティファニーランプ 蜻蛉シェード
リンク ティファニーランプ 藤のランプシェード 1
リンク ティファニーランプ 藤のランプシェード 2
金羊毛騎士団と金羊毛勲章(Toison d'or) 2018年06月22日
ウィーンの新王宮美術館(Neue Burg Museum… 2017年01月20日
アウグスブルク 7 (シェッツラー宮殿 ・… 2016年05月24日