わたしのこだわりブログ(仮)

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2014年08月17日
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前回、飛び梁(フライング・バットレス・flying buttress)の装飾が、ミラノ大聖堂のものは非常に美しい・・と言う事を書いたが・・。
いろいろ考えて見ると、もしかしたら昔は他でも美しい装飾があったのかもしれない。
ただ、修復にかかる経費が倍増するので他のところではそこまで手を入れて修復していないからなのかも・・。

この大聖堂はいつ行っても修復工事をしているそうだ。確かに直すところは果てしなく多い。外壁に設置されている彫像は取り外されてメンテされ、壊れた所は修復。そしてしっかり落ちないように固定される。
ものによっては公害などにより石が溶けて修復出来ない物もあるようだ。そんな物は近くのドゥオモ博物館にオリジナルが保存されレプリカが飾られる。
彫像だけで 約3600体 怪物96体 ガーゴイル150体、この大 聖堂の場合、修復とは永遠に終わる事のない仕事に違いない。しょんぼり


ミラノ(Milano) 5  (ミラノ大聖堂  3 外壁の装飾)

ミラノ大聖堂(Duomo di Milano)
ファサードは西、主祭壇は東の法則


屋上テラスの図面
pict-ミラノ 33.jpg
E・・・エレベータ S ・・・階段
ピンクが屋上のルートで オレンジ部分が屋根のテラス部分


側廊のテラスから屋上の屋根に上る階段。
pict-ミラノ 41.jpg
この階段はファサードのガレリア側。
pict-ミラノ 42.jpg

ファサードの装飾の裏側に階段がある。
pict-ミラノ 43.jpg
このネオ・ゴシック様式のファサードの完成は1813年。


ファサードは西、主祭壇は東の法則
ところで 聖堂の入り口であ ファサードは西に向かって建っているのが一般的
それは欧州の場合 内陣の主祭壇が東に位置するから なのである


現在は土地の問題もあるだろうが、 基本聖堂はエルサレムの方向を向いて建てられ、エルサレムの方向に祈るようにできているから らしい

それは イスラム教で言うミフラーブ(mihrāb)と同じ意味 のようだ。
最初からモスクとして建てられた所はミフラーブが必ず礼拝堂内部正面の壁に設置され、それが聖地メッカのカアバ神殿の方角を示している 。(後からモスクになった所は正面に無い)
それにしてもイスラム教徒は必ずカアバ神殿の方角に祈りを献げる。だから出先にモスクが無い時はカアバ神殿の方角を示している
キブラ (Qibla)に向かって祈るのだ。

階段にも凝った装飾が付けられている。
pict-ミラノ 44.jpg
注意深く見ていると、けっこう笑える物もある。おそらく、法則はなく、石工の人がそれぞれ好きな物を掘ったのだろう・・と考えられる。

珍しい事に、 この大聖堂建築では、設計段階のやりとりや、職人とのやり取りまで細かく記載された記録資料が残っていると言う。 1回目に紹介した建築プロジェクト「ヴェネランダ・ファッブリカ・デル・ドゥオーモ(Veneranda Fabbrica del Duomo)」が一貫して管理しているからなのだろう。

身廊の屋根の上。(左が正面のファサードの天辺部分)
pict-ミラノ 47.jpg
非常に贅沢な石のスレート屋根。
初期の大聖堂の屋根は木造だったそうだ。


ファサード方面を撮影。(この写真は今回のものではありません。)
pict-ミラノ 45.jpg
今回は身廊の屋根の半分が修復工事だったので、ファサード方面は障害物.の無い昔の写真を採用。

下は聖堂方面。これは今回撮影。
pict-ミラノ 46.jpg
なぜか屋根瓦(大理石のスレート)の上に被いがされている。ここで何かイベントでもするのでは? 

塔の上には全てに聖人の像が据え付けられている。(これら聖人は全て教会の外に向いて立っている)
pict-ミラノ 48.jpg

そもそも尖塔は何の為にあるのか?
当初は時計や鐘をつるす役目もあったそうだ 。もちろんそびえる 塔は天を指して神をイメージする・・と言う意味もあったろう
しかし、ここでは尖塔の数だけでも135本。これは非常識に多い。
これはぶっちゃけ、 世間に目立つ、驚くような大聖堂を造って自慢したい・・と言う司教や建築家や、当時の市民の気持ちの表れ のようだ。 派な大聖堂は街に冨と名声をもたらすのだそうだ
大半の尖塔は1800年代のものらしい。

飾り、ファルコナトゥーラ(スペル不明)
pict-ミラノ 49.jpg

ファルコナトゥーラのトップやフリルの部分はだいたい植物で葉か花。中にはひまわりの花も・・。
pict-ミラノ 50.jpg

中には人や人の頭部を彫った凝った彫り物もある。下はキリストと天使?pict-ミラノ 51.jpg

雨樋・ガーゴイル( gargoyle)
pict-ミラノ 54.jpg

巨人が支えるガーゴイル(gargoyle)
pict-ミラノ 53.jpg
この大聖堂の雨樋であるガーゴイルのうち96体は巨人が支える形をしていると言う。ガーゴイルだけでなく、重い物を支える時、こうした使い方がされるようだ。
背中の部分が割れていて、そこに樋(とい)が通されて口から雨水が排出される。

ガーゴイル(gargoyle)と言えば、基本ゴブリン(小鬼)のようなグロテスクなものが魔除けとして好んで用いられるが、まれに変わり種がある。 司教や職人に似せてからかったものもあるそう
昨年紹介したブリュッセル、グランプラスの市庁舎のガーゴイルは人間が多かった。
 2013年10月「ブリュッセル(Brussels) 5 (グラン・プラス 5 市庁舎 ガーゴイル)」

飛び梁・フライング・バットレス(flying buttress)の一部装飾
pict-ミラノ 52.jpg
葉の部分はアカンサス(Acanthus)にも見えるがアザミの蕾か?
もし、アザミなら地の悲しみと罪のシンボルであるし、中世では薬草としても珍重された花である。

フライングパットレスには裏表に彫像が据えられている。
pict-ミラノ 55.jpg
石像だけでなく、頭の上のテインパノや足下の装飾もセット。

pict-ミラノ 56.jpg
尖塔の上の聖人像に哀愁を感じる ぽっ

ミラノ大聖堂つづく
リンク ​ ミラノ(Milano) 6  (ミラノ大聖堂 4 聖堂身廊から)






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Last updated  2020年09月21日 01時44分22秒
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