September 10, 2006
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テーマ: 海外生活(7808)
カテゴリ: カテゴリ未分類
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NZの冬は雨季に当たります。
冬場に雨が降らないと、農作物は育たないし、夏場の電力不足も深刻なものとなります。
Hawkes Bayではこの3週間ほど温暖な天候で一気春が来ました。
梅と桃は一遍に。 マグノリア、その他名前を知らない花達もドンドン咲き出しています。
桜ももう直ぐでしょう。


先日はWBの仕事の一つである現金輸送の話を書きましたが、今日はもう一つ別な業務についてご紹介しましょう。
それは警備の仕事。
警備と行っても実に多様で、公共施設、個人住宅の警備、催し会場の整理・警備。


NZは常に住んで見たい国のトップ5に名前を連ねています。
理由は、自然が豊かであること、そして人口が少ない事。そして比較的安全であること。、
日本の国土の2/3ほどのところに約400万人が散らばって住んでいます。
たった400万人ですよ!!

人口が少ない イコール 犯罪人口も少ないの図式が成り立つのは自然の事。
ただ此処で問題が一つ。
実は警察官の数が圧倒的に足りないのです。
警官の数が足りないと…。
例えば、NZは結構空き巣が多いのです。
出かけて帰って見ると、家の中はぐちゃぐちゃ!
目ぼしい金目の物は全て持ち去られた後。


家人が慌てて警察に電話すると。
電話でサンザン待たされてやっと繋がっても警察の来るのが半日後だったり、酷い時には「今は立て込んでいて忙しいから後からもう一回電話してくれ。」なんて平気で言われてしまいます(笑)。
でも言っている方は大真面目で、実際全然警官の数が足りないのです。
勿論これが刃傷沙汰になれば話は別ですが、空き巣なんかでは警察も全然熱が入りません。
そんな警察ですから、殺人事件の犯行現場、大きな事件の現場などの保全にも手が回りきらず、我々の出番となる訳です。


番号を見ると会社のマネージャーから?

マ「WB、何している?」

WB「今寝ようと思った所。」

マ「一寸困った事が発生して助けて欲しい。」

WB「今から??何するの?」(一寸不機嫌なWB)

マ「犯行現場の保存で明朝8時まで。」

WB[うううう~。誰か他に居ないの?」

マ「居ても酒飲んじゃっているから駄目なんだ。」

WB「俺ももっと飲んだくれて置けば良かった!?」

で仕方なくスミに事情をよく説明して(笑)、制服に着替えてネピアの警察署に出向きました。
自分は一人だから良いけど、スミは誰かに外にだしてもらわないとね。

警察署で巡査部長と簡単な打ち合わせの後パトカーで現場へ。
普通は自分の車で向うのですが、昨夜は犯行がおこったエリアがあまり治安の良い場所ではないので、パトカーの中で張り番をする事になりました。

事件は、夫婦者或いは同棲者が口論のすえ、女性が二階の窓から落ちて重傷を負ったとの事。
パートナーの男性は自分が絡んだ事は否定しているようですが、近所で口論やら女性の叫び声を聞いた人が居るとの事。
女性はかなり重傷で、生死の確立が50/50の危篤状態で、ネピアの病院では手に負えず、ヘリでウェリントンの病院に運ばれた事などを情報として貰いました。

今回は現場が危ないエリアであるだけに、パトカーの他に警察無線も手渡されて、「要領はわかっているよね? 後は宜しく!」なんて簡単に行ってしまいました。
NZ生活が長いWBですが、おいおい! こんなに簡単パトカー貸してくれいいの?
大事な商売道具だろ?
日本じゃまず考えられない光景ですよね?皆さん!
まあ、パトカーのキーをくれる時に一応「むやみに運転するなよ!」と言われたけど・・・(笑)。

過去に速度違反に何回かパトカーに止められた事はあるけど、中に入るのは初めて。
ましてや運転席なんて!!
なんか機械が一杯付いています(笑)。
ははぁ~ん。此処がこうなっているのねぇ?なんて一人で感心していたし。
無線機にレーダー。それにサイレンとライトをコントロールする機械等。
押してみたいボタンが一杯(笑)。
特にサイレンとライトのボタンは非常に魅力的に見えました(笑)。是非押して見たかった!!

そして長い夜の始まり。
暗闇ですから勿論本は読めません。
主な仕事は現場に近づく人の全ての名前と電話番号およびその時間をノートに記入しなければなりません。
また、なぜ家に入ってはいけないのかも説明をする必要があります。

それ以外は結構ヒマですから、いきおいパトカーの無線機から聞えてくるやり取りに耳を傾けると?
無線は主にパトカーとベースあるいはコントロールセンターとのやり取りです。
スピード違反で捕まえた車・運転手の身元照会。
市民からの通報で喧嘩、酔っ払い、不審者の排除。
娼婦(立ちんぼ)の保護なんてのもありました。
NZでは娼婦は合法ですから。
ボーイズレーサー(暴走族)とのカーチェイス。
実に何でも有りです。

違反で捕まった運転者の9割がDisqalify(免許取り消し)だったのにはビックリ。
前科のある奴の中には、身分を偽る奴もいて確認の為刺青の位置なんかも情報としてセンターからパトカーで提供されていました。
一晩一体何人の人間が拘束されたのでしょう?
そして、一件一件の出動要請には番号が付いています。
これは我々の仕事でも一緒。でも件数が違います。
さぞかし後の書類仕事が大変だろうな?なんて変なところで心配(笑)。

夜中に明朝(今朝)の家宅捜索にそなえてSerch Warrant(捜査令状)がWBの元に届きました。
何処かの公証人が夜中にたたき起こされてサインをさせられたようです。
お気の毒様(笑)。
これは明朝の引継ぎまで大事に保管しておかなければいけません。

無線の忙しさのピークは零時頃。
それまではひっきりなしに無線機が音を立てています。
さすがに3時・4時頃になると、無線機もだんだんに沈黙の時間が長くなります。
時々呼び出しがありましたが、此方からは無線を使う事はありません。
理由の一つは符丁(暗号)の違い。
前回紹介した10.4、10.10など数字を使った符丁の意味が微妙に違うからです。

白々明けの5時頃には無線もひと段落。
シフトが終わってベースに戻る無線がたくさんありました。
仕事とは言え、非常に貴重な一晩を過したWB.
速度違反で捕まると悔しいけど、人知れず市民生活を裏で支える彼らの活躍を垣間見た(聞いた)夜でした。

交代の警官が来るのが遅れて、家に戻るのが予定より一時間ほどおくれました。
でも彼らの仕事の大変さを知った今は彼らを責める気にはなりません。
パトカーで送って貰い降りる時に、Thank youと言う言葉が心から出ました。
ありがとうPolice Man。

では

WB





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Last updated  September 10, 2006 12:29:55 PM
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