ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

ネイティブスピーカーも知らない!英語のヒ・ミ・ツ

動名詞と不定詞



不定詞とは「矢印つき動詞」

不定詞は【 to +動詞の原形】という形のものを指します。to のビジュアルなイメージを言うとすれば、それは、「矢印」   です。
副詞用法、名詞用法や形容詞用法のどれにおいても、それは原則としては同じです。

動名詞との使い分け

不定詞は「名詞」的に使える、ということで、動名詞と似たように使えることが多いですが、基本的には違います。動名詞は本当に「名詞」なのですが(ルーツが動詞であったとしても)、不定詞は動詞の性格を色濃く残しています。
矢印+動詞、ですからね。

いちばんわかりやすい(ややこしいけど)のはrememberの場合でしょうか。

(1)  I remembered to lock the door. 私はドアに鍵をかけるのを思い出した。(→だから鍵をかけた)
(2)  I remembered locking the door.  私はドアに鍵をかけたことを覚えている。

I remembered to lock the door.の場合は、 「思い出して、それから、ロックした」 のです。
Rememberlock the door

動名詞のlocking にはそういう矢印のキモチはありません。だから、主動詞の「思い出した」時点より前のことを扱えるのです。forgetも同じですね。忘れちゃったからロックしないんですけども。

tryという動詞も見てみましょう。
(1)  I tried to eat natto. 私は納豆を食べようとした
(2)  I tried eating natto.  私は納豆を食べてみた

(1)は  I triedeat natto. ですから、努力して、納豆を食べることに「向かった」のです。それに対し、(2)は、とりあえず食べてみたわけです。(1)の場合は実際に食べたかどうかこの時点では不明(というかどっちでもいい)ですが、(2)なら確実に食べています。

「同じ形のものは根本的には同じもの」というのが原則です。動名詞は、進行形で使う形と同じ形ですね。それは現在分詞と呼ばれますが、名前はどうでもいいのです。 同じカタチのものには同じキモチが あります。進行形と同じで、~ingの形には、「(いま)やっている」というイメージがあります。たとえ過去のことを言うのであっても、その時点で「やっている様子」を思い起こしているのです。

stopという動詞について、「目的語として」繋がるのは動名詞だけです。だって、「これからやること」をstopすることはできませんからね。私は禁煙した、なら、
I stopped smoking.
です。でも
I stop to smoke.
という文も可能です。でもこれは
I stoppedsmoke. ですから、実は、
「私はたばこを吸うために立ち止まった=立ち止まって、タバコを吸った」
という意味になるのです。だからこれは「~するために」という意味を示す「副詞用法」ですね。
(ですが、その他の動詞に繋がる不定詞も、目的語=名詞、というより、実は副詞的なのだと考えても同じことだと思います)

enjoyも、「これからやること」をenjoyするのではなく、「やっていること」あるいは「やっている様子を思い起こせること」を楽しむので、動名詞のみが繋がります。

動名詞は、あくまで「名詞」

不定詞が「矢印」であるのに対して、動名詞は名詞ですから、 代名詞の 「it 」 で置き換えることが可能 です。
I locked the door. I remember it.  私はドアに鍵をかけた。私はそれを覚えている。

また、前置詞に繋がるのは名詞だけ(この「前置」とは、「名詞の前に置く」という意味です)なので、be interested in~ be good at~などのフレーズに繋がるのは動名詞になります。

ここで混乱しやすいのが look forward to~「~を楽しみにしている」というフレーズ。このtoは不定詞についているtoではありません。look forward とは「前方に目を向ける」という意味。to~で具体的にその前方にあるものが何かを言うのです。「~に向かって、前に目を向ける」ということから、「~を楽しみにしている」という意味を表します。
I’m looking forward to the party .
のように、普通の名詞を目的語にしてもいいのです。「~すること」を楽しみにしている、と言いたい場合は、動名詞が繋がるというわけです。
I’m looking forward to seeing you.
×I’m looking forward to see you.

もうひとつ、例を挙げましょう。
(1) Nice to meet you.
(2) Nice meeting you.
ともに「お会いできて嬉しい」という意味ですが、(1)は初対面の人に会ったばかりのときに使うのに対し、(2)は、その初対面の人とひとしきり話して、別れるときなどに使います。(1)は日本語で「初めまして」とか「よろしくお願いします」と言うような場面で使い、(2)は、これは日本語の会話ではあまり使わないように思いますが「お会いできて嬉し『かった』です」というような感じですね。
ここでも、不定詞はで、これ(問題にしている時点)から先のことを意識しているのに対し、動名詞はそうでないことが分かります(但し、「動名詞は過去を表す」というわけではないのですよ。looking forward することもできるのですから。いつもそうであるのではなく、過去を表すことも「できる」、ということですね)

前へ
次へ


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: