元ロンドン新(米)所長→現ハノイ所長日記

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2011.01.22
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昨日から今日にかけて、この問題が日本でも英国でも大きな話題となった。在英の日本人の一人として、思うところを記しておこうと思う。

簡単に、事情を振り返るとこういうことだ。英国の公共放送BBCの人気お笑いクイズ番組で、広島と長崎で2度被爆した方を「世界一運が悪い男」として面白おかしく紹介したことを、受けて日本政府(大使館)が抗議の文書を送り、釈明の文書が返ってきたというものだ。

このような行為は決して許されるべきものではない。更に強い態度で抗議すべきだし、このようなことが2度と起きないように関係者には猛省を促したいと思う。ご遺族の心情などを考えれば、適切な言葉も見つからず、軽々にここで論じることが憚れる思いすらある。

ただ、英国に住んでいると、これは起きるべくして起きたことのように想われ、それ程大きな衝撃を受けないのも事実である。まず、このTV番組は、偶にしか見たことはないが、王族や現役の政治家(英国に限らない)を派手に揶揄したり、宗教やテロなども笑いにしてしまう相当に際どい番組である。日英の笑い・ユーモアに対する違いがモロに表れていると言えばそれまでだが、あの番組ならあり得るな、というのが在英の人間の直感なのだ。

また、より本質的な問題として、第2次世界大戦に対する国民の認識は、悪の枢軸を倒した戦いであって、対日本について言えば、英国人捕虜に酷い仕打ちを行った国ということは嫌というほど報道されるが、原爆の悲惨さについては、ほとんど意識されてはいない。

アメリカほど、露骨に、原爆を正当化する考え方が一般化しているわけではないが、日本人が持っている原爆に対する特別な思いを理解している人はほとんどいないように思える。

さて、ご批判を承知で、今回の件で、日本人・日本のマスコミの反応を見ていて、感じたことを書きたい。ある新聞の社説では、「原爆の悲惨さが伝わっていない。もっと訴えていく努力が必要。」と結んでいた。それはそれで大切かもしれないが、もっと大切なことは、「なぜ、あのような悲惨なことが起きてしまったのか。」「どうすれば、あのような事態を起こさない世界が築けるのか」を皆で考えることであるはずだと思う。全ての兵器は悲惨であり、悲惨だから戦争を止めようだけでは、何も解決しないのだ。

ちなみに、ポーランドにあるアウシュビッツの強制収容所は、普通の人間であっても、どのような状況に置かれれば、あれほどの非人間的なことが出来てしまうのかを、皆が考えるための施設と位置付けられている。よろしければ、昨年書いた記事をお読み頂きたい。
「アウシュビッツ強制収容所で考えたこと」 http://plaza.rakuten.co.jp/Londonnikki/diary/201008130000/



そのためには、是非、日本史や世界史は、年号を覚えたりするものではなく、歴史の教訓を引き出して現代に活かすためのものであると認識を改めて、授業なども、正解をおしえるものではない、そうハーバードで「正義」の話をするような、そんな時代がくればいいなと夢想したりしている。


お読み頂き有難うございます。スマイル
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Last updated  2011.01.23 07:16:48
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