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92歳の セイさんの話この方は認知症があり、車椅子に座ってもすぐに立ち上がろうとします。でも、立てないし、歩けないし、なのです。5分置きに「すみません、トイレにつれていってください」が口癖職員も、最初のうちはお連れしていたのですが、だんだん、「またですか?今行ったばかりでしょ!」といら立ちを隠せません。私も職員のイライラが加速していくので、その声を聞きながら心配していました。私はケアマネジャーなので、直接介護に関わっていません。ステーション内の机でパソコンを叩きながら横目でチラチラセイさんは、そんなことはお構いなしに何度も立ち上がろうとします。ついに、キレた職員の一人が 「そんなに イスから降りたいのなら、床に座っててちょうだい!」と言って床に引きずりおろし、部屋から座布団を持ってきて床に座らせたのです。セイさんはびっくりしましたが、今度は「イスに座らせて、お願いします、お願いします」と繰り返します。「だめ!だって立ちたいのでしょ!セイさんは立てないし歩けないのだから 床に座っててちょうだい!」ときつい口調です。しばらくして、私がそばに行き「座りたいと言ってるのだから、床は冷えるしイスにお願いできますか」と職員に声かけし、やっと座らせてもらいました。それから私が事務所にコピーをしに行って帰ってくると、セイさんの部屋の床にベッドマットを敷きそこに座らせていました。セイさんは「すみません、助けて、お願いします」と繰り返していました。私は、まだ職員達と信頼関係が薄く、おまけに人手不足でどうしようもありません。「あなた達、間違っているわよ」と言えませんでした。そんな自分が情けなくて、悲しくて、だれもいない食堂へ行き、胸がいっぱいで涙が出てきました。職員がやらないなら、私は私ができることをせいいっぱいやろうと思うだけです。2日後、セイさんは軽い肺炎で入院してしまいました。これではいけないと決心し、会議ではっきり言おうと心に決めました。そして会議の日職員から「セイさんは床対応としたいので、畳やマットの検討をお願いしたいのですが」との意見。とんでもない!と私が反対意見を言おうとした時私より先に看護師(私より1ヶ月早く入職していた人です)が、「だめです!」と。「床はあなた達が思っているより冷えるんですよ、セイさんが肺炎になったのもそのせいでしょう! 床対応は認められません」私も言いました。「ここの施設は床暖房もないですよね、絶対反対です。セイさんは、床を這って部屋から出ようと するし、昨日はトイレまで這って行ってたんですよ。不潔で今度は感染症の原因にもなりますよ」皆黙ってしまいました。床対応はしないことになりました。ただ、認知症の受診をしていただこうということになりました。その後、看護師と話し、私と同じ考え、気持ちだったことを知り嬉しくなりました。看護師の言うことには皆良く従うのです。(自分の職種のひ弱さが淋しいです)1フロアー24人を2人でお世話しています。職員の気持ちもわかります。精一杯やっているのもわかります。わかるから、私も、この施設に来てからは、トイレ介助も食事介助も入浴の手伝いもしています。この施設に来てから、改めて介護って何だろうと考えさせられるようになりました。結論が出るまで一人ひとりの利用者さんに深く関わっていこうと思っている私です。
2013.05.16
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久しぶりの更新となりました。7ヶ月くらいかな?実は、夫の親の介護で九州に帰っておりました。義母のお世話をしてくれている義姉が入院することになり、私が看ることになったのです。再就職したところを11月で辞め、(残念でたまりませんでした)1年はと、覚悟して帰ったのですが、姉の経過が良かったことと、すごい助っ人(母の妹)が現れ2月に帰ってくることができました。心のこりでしたが、義母にとっては妹や実の娘と暮らせる事がとても嬉しいようでした。 でも、私もせいいっぱいのお世話ができたので良かったと思います。こちらに帰って数日、知り合いから声がかかり、すぐに仕事に就くことができました。特別養護老人ホームの施設ケアマネジャーです。この施設は、社会福祉法人で、措置時代から運営している施設なので開設から28年、建物も造りもかなり古く、最近建てられている素敵な施設とはほど遠い施設です。建物の汚さと、利用者さんの汚さと、職員の利用者さんへの接遇の悪さにショックを受け、1日で辞めようと思って家に帰ったのですが、私に声をかけてくれた人が『あなたが来てくれたらきっと、ここも変わると思って!』と言ってくれたことを思い出し、まず、1週間頑張ろう、と頑張りました。そして、1週間頑張れた。。。。よし、あと1ヶ月頑張ろうそして今、なんとか1年は頑張ろうと決心し、頑張っています。この施設は、15年くらい前に私が介護に関わるきっかけになった施設なのです。17年前に母が亡くなり、その後父がひとりぽっちで淋しい生活をおくっていたのですが、社協のボランティアで来てくれる訪問ヘルパーさんのお世話を受け、楽しいひと時を過ごすことができるようになりました。そして2年後に亡くなりました。遠く離れて暮らしている父を知らない誰かがお世話してくださったこと、ホントに感謝の思いでいっぱいでした。その感謝の思いを私も誰かに返していこうと、ボランティアを始めました。そして、その頃に訪問した最初の施設がこの施設なのです。初めて訪問した施設で『介護』ということに触れ、高齢者に関わり、自分の進む道を決め転職したのです。なんだかあの頃持った印象とはずい分違ってしまってるなぁ・・・と、なんだか残念でした。私も、もう若くないのでどこまで頑張れるかわかりませんが、今はとりあえず頑張っている私です。
2013.05.05
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