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先日

判決文の全文は、 最高裁のホームページ で見ることができます。

最高裁が要旨として「貸金業者は,債務者から取引履歴の開示を求められた場合には,特段の事情のない限り,信義則上これを開示すべき義務を負う」としています。
そして、不法行為による損害賠償責任を認め、賠償額の確定のために高裁へ差し戻しました。

開示義務を認める理由 としては、
(1)貸金業法19条に帳簿保存義務 (3年) が定められていること自体

(2)契約書面(いわゆる17条書面)や領収証(いわゆる18条書面)を債務者が紛失した場合も想定した上で、業務帳簿の作成・備付け義務を負わせたもの



(4)金融庁ガイドラインが開示を求められたときに協力することとしているのも、貸金業法の趣旨を踏まえたもの

(5)貸金業法施行時の大蔵省銀行局長通達で、債務内容の開示要求に協力しなければならないとされているのも、貸金業法の趣旨を踏まえたもの

(6)一般に、債務者は債務内容を正確に把握できない場合には大きな不利益を被る可能性があるのに対して、貸金業者は債務内容の開示は容易で特段の負担は生じない

(7)貸金業法の適用を受ける金銭消費貸借契約の付随義務

(8)信義則

結論
貸金業者は,債務者から取引履歴の開示を求められた場合には,その開示要求が濫用にわたると認められるなど特段の事情のない限り,貸金業法の適用を受ける金銭消費貸借契約の付随義務として,信義則上,保存している業務帳簿 (保存期間を経過して保存しているものを含む。) に基づいて取引履歴を開示すべき義務を負うものと解すべきである。そして,貸金業者がこの義務に違反して取引履歴の開示を拒絶したときは,その行為は,違法性を有し,不法行為を構成するものというべきである。

本件では
・特段の事情なし
・債務者は半年近く繰り返し取引履歴開示を求めたが、貸金業者は拒否し続けたので、その間債務整理ができず訴訟提起に至ったので違法性あり

以上が判例の概要です。

貸金業者に取引履歴開示義務を認め、様々な問題を解決させようという結論が先にあったと見受けられるため、理由付けにおかしな点が多いです。



疑問点
・帳簿保存義務の趣旨を根拠にしているところは分かるのですが、いきなり結論部分で「(保存期間を経過して保存しているものを含む。)」・・・なにげなカッコ書き~

・ガイドラインや大蔵省通達を根拠に「義務」を認めるということはガイドラインの立法化でしょうか。行政が法を立法できることになりますね。

・伝家の宝刀信義則!・・・一般に訴訟上、信義則ってなかなか主張しても認められないですよね。そんな簡単に使えないものでしょう。「信義則上」という言葉が出てくるところが、やはり裁判所としても苦し紛れな理由付けというところでしょう。

・オジヤンさんが「 最高裁判例:貸金業者の取引履歴開示義務 」でおっしゃっているように、法の趣旨が開示を求めているというのであれば、立法化されていてもおかしくないのに、貸金業法に明文の規定がないというのはあえて立法化されなかったとも言えます。



・さらに、裁判所が立法したのは、保存期間の無期化。この判決が出たことによって、貸金業者は帳簿保存義務(保存期間3年)にかかわらず全取引履歴の開示が義務化されました。開示しなければ損害賠償を伴います。時効の関係で10年という判例も出ていますが、過払い金充当については裁判例がいろいろありますから、時効はあってないようなもの、とも思えます。よって、取引履歴は貸金業者は完済して取引がなくなっても、いつ過払い請求を受けるか分からないので、廃棄してはいけません。倉庫で管理。最高裁は「貸金業者は債務内容の開示は容易で特段の負担は生じない」と言っていますから、保存にも開示にもすごい費用がかかっても手数料は(業法上は)もらえませんよ~

・民訴上の証拠の問題も法律上は・・・まぁ、債務者と貸金業者という立場のバランスがあるので、ここではそんな野暮なことはやめとくか。でも、ひとつ、いくらそうは言っても、医療過誤訴訟のカルテ開示の問題とは違いますよね。以前パラリーガルをしていたときに、カルテを開示してもらえない問題につきあたりましたが、これとは当事者の関係が異なりますね。

・なお、本件では、特段の事情がなかったか、違法性があったかどうかも疑問です。本件高裁判決では、「控訴人が被控訴人から残債務の支払を強く求められていたとは認めがたい。」「控訴人代理人は、被控訴人に対し、債務整理を受任した旨を通知し、債務整理を進めるとしているが、本件訴訟提起前に、債権者数、債務者の負債状況、債務整理の方針、進行状況、取引履歴不開示による控訴人の債務整理手続への具体的影響等の個別事情は、一切明らかにしていない。」「控訴人代理人は、被控訴人と、本訴提起前に過払金の返還について具体的な和解案を求めたり、和解交渉の意思を示したりはしていない。かえって被控訴人は和解による解決を希望する旨を伝えたが、控訴人は応じなかった。」としています。この点について、最高裁では検討されていません。

結局、裁判所が言いたいこと、やりたいことは、

ずばり、 債務者救済!  という 政策的判断 でしょうね。
判決文にはそれほどでてきていませんが、上告受理申立理由書を参考にすると、
当事者の債権者・債務者間での過払い金返還請求ではなくて、債務者の事情を考慮しての判決でしょう。
債務者がある債権者から得た過払い金を他の残債務がある債権者へ返済する。
それでも余れば、自己の社会復帰のための資金とする。
債務者困ってるから、誰でもいいからお金ちょ~だ~い、それを使ってなんとかするから~
多重債務者が生き返る?ための策ですな。
裁判当事者間のことを考えているのではなく、「債務者と『債権者たち』」を考えているようです。

あとは、先日紹介した朝日新聞の記事を読んで思いましたが、訴訟に持ち込まれる前に解決させようとしているのでしょうね。
ずばり、  訴訟経済! 訴訟の迅速化!  という 裁判所の要請
「紛争の発生を未然に防止し又は生じた紛争を速やかに解決することを図ったもの」とも判決文中に言っていますが、ここ数年すんごい膨大数の過払い返還請求事件が起こっているようですし、裁判所も困るんじゃないかなあ。
もー、裁判外でやってよ!忙しいんだから!って感じ。
さらに、最高裁から、7月15日付けで「裁判の迅速化に係る検証結果の公表」ってのがされてますし(最高裁ホームページ参照)、裁判に持ち込まれるとしても、既に開示がされているのであれば、貸金業法上のみなし弁済が成立しているかどうかから争うことができて、かなりの時間短縮。
そううまくいくかな?

一番重要なことは、
法改正・・・orz
政治家さん、ちゃんとしよーよ。
どっちでもいーけど、法律の条文直したら?





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最終更新日  2005年07月22日 16時40分06秒
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