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February 4, 2004
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カテゴリ: 作品
 序章
妖気の誘い

「はあ」
ショートヘアーの金髪が陽の光に輝いて暗い室内に光を放ってキャサリンはため息をついた。
まだ昼だというのにその室内は異様なほの暗さに支配されている。
家の周りの背の高い木々が陽の光を遮断している為だろう、この家を人々は通称お化け屋敷と呼んでいた。
家の造りそのものはごく普通のアメリカの家庭的な広い庭とレンガ造りの二階建て住宅なのだが、その壁をつたうシダ植物やうっそうと茂る庭の草木は如何にもお化け屋敷そのものであった。
「如何したの?」
それに答えるように向かいに座った、それで掃除が出来そうな程長い黒髪の女性は青い瞳を見つめて尋ねた。

テーブルに置かれたコーヒーカップは手も付けられず悲しそうに黒い液体をたたえ冷たく成っていた。
「いい加減になさいませ」
キャサリンは優しくそれでいて重々しく言葉を発した。
「何か手違いでも?私は確実に仕事をしている積もりなのですが」
桜子は驚いた様に黒い瞳を見開いた。彼女の名は藤井桜子、日本人であり霊媒師としての能力も兼ね備えた女性である。
この日キャサリン・フォドファンは都心から車を飛ばし、このド田舎の一軒家にわざわざ来たのは仕事のミスを言う為などでは無かった。二人は探偵事務所を開いて仕事をしている仕事仲間であり仕事の関係上は上司と部下の関係だったが、二人とも大学は一緒だった。その為にその関係が崩れる事は無かった。
「ええっ仕事は完璧過ぎる程好くてよ」
桜子にはキャサリンの言いたい事が分かっていたが止める訳にはいかなかったのだ。
「いつまで続けるの何も出てこないんでょうに」
彼女は部屋の隅々を見回して言った。生活に最低限必要な物しかない殺風景な部屋を見回して、およそ女の子の部屋とは言いがたい。カーテンの無い窓や穴の開いた床、かろうじて掃除はしてあるのでほこりは無いのだがフローリングはむき出しのままだ。
「恋人は探さないの」

「私は霊媒師なのココに何かあると思ったから来たの会社の仕事は問題なくこなしています、霊能者として生まれた者の使命だと覚悟しています」
それを聞く度にキャサリンの口からため息が漏れる。今度こそわと見合い写真まで用意して来たのだが、それを出すまでもなくそのせりふを聞いてしまった。
 桜子がココに来た理由は第二次世界大戦末期日本の敗北が色濃くなって来た時の事一人の海軍将校が言った言葉から事件は始まる。
彼の言った言葉それは誰の耳にも疑わしい物だった。
作戦会議中の事彼は突然立ち上がると

桜子はこの事を軍の友人から聞くなり単独での調査を始めた。これは仕事ではない彼女本来の使命からだ。
案の定この家からは妖気を感じた日本ではないアメリカの地で微かでは在るが確かにモノノケが発する信号をキッチした。
敷地に一歩足を踏み入れるなり足元から微弱な電気信号がじわじわと感じられた。
彼女は微笑んだがそれも束の間の事だった、何所を探してもそれ以上の気配は感じられない。地下室も、屋根裏も、裏庭も、車庫も、微かな気配以外は何も感じなかった。だからこそここに住み着いたのだ、なんとしても確かな手応えを掴みたい何かが起こる前兆なのかも知れない・あるいは何も無いかもしれない・何れにせよ結果が出ない事には止める事等出来ないのだ。
「分かったもうかってになさい」
さすがにキャサリもあきらめた口調で吐き捨てた、その時だった桜の花弁が机に落ちたのは・・・
この辺りには桜の木はない。
「やっと招待状が来ました」
桜子はまるでパーティーの招待状を貰った様にはしゃぎだした。
「だめ罠よ!!」
キャサリンは真顔で止めに入った。
屋敷の妖気は相変わらず微かにしか感じられない、しかもこの花弁にはとても深い想いが籠められていた。

 数日後屋敷を引き払った藤井桜子は日本に来ていた。それは物語の始まる、一年ほど前の事だった。





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Last updated  April 22, 2005 04:35:59 PM
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Re:最新作(2/4)  
読ませて戴きました!
出だしですし、のめり込むまでではないですが
これからですね! (February 8, 2004 02:12:31 AM)

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