周りの人のケア


 私がケガしたことによって親はそうとうショックを受けていました。母親は当初、自立神経失調などで塞ぎ込んでしまいました。父親は救急車が来るまでずっと私を抱きしめてくれ、車内でもずっと手を握り締めてくれていました。「樹理が治るならお金がかかってもいい、どんなことでもする」そう母親に言っていたそうです。でもやはり心労は私が見ていてもわかりました。そういう姿を見ると当の本人である私は、これ以上親に余計な心配をかけてはならないと、不安な気持ちや悩みを打ち明ける事ができませんでした。
 ずっと内にため込んでいたままだど、どうなっていたかわかりません。何度か心がバラバラになってしまいそうと思う事がありました。人知れず夜中に布団の中で泣きました。そんな私を強く励まして、悩みを聞いてくれたのが彼氏でした。彼の前で、何回泣いたかわかりません。不安な気持ちもいっぱい話しました。そんな彼はケガ以前と同じように接してくれ、そばにいてくれました。彼の存在のおかげでどんなに気分が楽になったことでしょう。本当に彼がいなかったら今の私はいないような気がします。外見も変わってしまい、不安定な私に愛想をつかして去ってしまうのではないか…その不安は今でもあります。彼は「不安定になるのは当然だし、気持ちは変わらない」といって一人では外を歩く自信がない私を誘っていろんな所に連れていってくれます。彼には申し訳なくて頭が上がりません。感謝の気持ちでいっぱいです。
 力づけてくれた存在は両親やおなじように顔面にケガしたことのある姉、そして彼や友達。ケガして心まで傷を負ってしまった患者は一人では、立ち直ることができません。周りの人がそばにいて受けとめてあげてください。また、同じような立場の人と交流し互いに励まし合っていくことが、心の傷にとってよいことだと思います。


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