マミの遊び場

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May 29, 2005

がんばりましたね、の言葉。

カテゴリ：カテゴリ未分類

今日も昼に起きました。

のんびりご飯を食べていると・・・

「あ、ダイがきたで。」

とお父さん。うそやん。

と思ったら・・・本当だった！！

家の前にダイがいる！！

聞いてない！

私は寝起きのパジャマですっぴん。

すぐあがってもらって、私はしばし準備。

実習終わってホットしたんやね。

そのあいだ私は勉強していました。

私は今日は準夜だったので、３時半には病棟へいくつもりで準備して

車で病院へ向かいました。

道の曲がり角横にたまに見る、葬儀案内が。

大きな文字で見慣れた名前・・・

すぐ、ピンときました。

ああ、亡くなったんだ・・・。

昨日から上の血圧が４２mmHg。それも血圧計でははかれなくて

ドップラーという測りで測った値。

もうそろそろかなあ。

呼吸は浅く、大きな舌が落ち込んで舌根沈下が起きていた。

昨日の日勤で、肩の下に枕をいれていたんだけど・・・

もともと末期で入院してこられて、４ヶ月。

よくがんばられたな、と思います。

本当、よくがんばっておられました。

私は、臨終で泣いたことが１度だけあります。

看護師は患者さんの前で泣いてはいけない、

と暗黙の了解であります。

しかし、このときばかりはどうしようもなかったのです。

Tさん。胆管癌オペ後再発。

入退院を繰り返すが、回復認めず。

PTCDというチューブを、おなかにいれたまま退院した方でした。

腹痛で再入院したのが最後でした。

そのとき

チューブからは廃液はでず、ガリガリに痩せていて、

排泄も自分では間に合わず、オムツをあてていました。

それでも訪室するとにこっとわらってくださるいいおじちゃんでした。

まだ話せたころ、

「退院したらデートしよう」といってくださっていました。

日に日に痩せていき、血圧も測れなくなってきました。

ついに最期の日、私は準夜でした。

何度もTさんの胸につけていたモニターが詰め所でな鳴り、

そのたびに訪室しました。

黄疸で黄色くなった目は、天井をむくようになり

鼻の穴を膨らませないと十分な息もできないくらいになっていました。

酸素マスク１５リットル・・・マスクでいける最高の酸素量。

呼びかけても応答はなく、

はあ、はあ、と苦しそうな息が聞こえるだけ。

すると、奥さんがTさんの肩を揺さぶりこう言ったのです。

「あなた、あなた、○○さん(私の名字）来てくれたよ！！

　あなた、一番好きな看護婦さんやって、言ってたやん！！

　オムツも嫌な顔せず介助してくれるって。。。

　一緒にデートするんやって言ってたやん。。。」

このときばかりは、私の中で張り詰めていたものが切れて

大泣きしました。

ぬぐってもぬぐっても涙がこぼれて、

いまさら何の言葉も掛けられなくて、

ただただ手をぎゅっと握りました。

かすかに握り返してくれたTさんの手のぬくもりは

今でも忘れられません。

「もう十分がんばりましたね、Tさん」

と声をかけて退室しました。

それが最期でした。

その２０分後、息をひきとられました。

もうずっとしんどい思いをされているので

最期はがんばりをみとめてあげないと、

楽になれないですよね。

このとき初めて言ってから、

臨終の方には

「よくがんばってこられましたね、

　もうがんばらなくていいですよ」

と声をかけることにしています。

それがいいことなのか、

悪いことなのかはわかりません。

不謹慎であることは確かなので、

御家族の前ではいいませんが。。。

わたしが患者さんだったら、楽になりたいだろうなと思います。

最期を送るのはとてもとても辛いです。

１年間で何人も送りました。

そのたびに辛い思いをします。

私が思っていた以上に亡くなられる方は多かったです。

でも、

その人の最期をおくれるなんて

なんて素晴らしいんだろうと思うようになってきました。

私はやっぱり看護師になってよかったと思います。

いい仕事です。

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