2010.05.18
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前から気になっていた映画「オーケストラ!」を、福岡市のKBCシネマで観た。

Le-Concert-02.jpg

原題:Le Concert
監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
製作国:フランス(2009)
上映時間:124分

ストーリーは明快。
ユダヤ人であるがために、30年前に著名な交響楽団から追放されていたメンバーが、ふとしたきっかけで集合し、ニセモノ楽団としてパリで公演を挙行、大成功を収めるというストーリーである。
驚くことに、実話がもとになっているらしい。
現代の歴史やイデオロギー、文化、生活様式などの細かいディテールの表現は、フランス映画らしくエスプリが利いていてが大いに楽しめる映画だ。


歴代の皇帝はユダヤ人を追放しようとしたが、ポーランドの分割領有によって、逆に大勢取り込んでしまったユダヤ人の拡散を防ぐため、彼らの定住地域であるゲットーを黒海からリトアニアに渡る一帯に制限するなどした。
ちなみに、これは「屋根の上のバイオリン弾き」の舞台になっている。
ソビエト社会主義革命にはユダヤ人が開放を求めて多く参加し、革命後は居場所を得たように見えたが、スターリンによる大粛清はユダヤ人におよび、ソビエト連邦となっても迫害は続いたのである。

さて、ブレジネフ政権の最後の頃。
ボリショイ管弦楽団から多くのユダヤ人が追放され、それに反対した天才指揮者は劇場の清掃人に、他の楽団員も救急車やタクシーの運転手などに身を投じ、音楽とは無縁の世界で生きていた。
元指揮者(アンドレイ)は、ある日パリのシャトレ座から劇場に送られてきた楽団への出演依頼を見つけ、ニセのオーケストラを結成することを思いつく。

前半はロシアが舞台。
彼のアイデアに共感した元チェリストと2人で、昔の団員を次々に誘っていくのだが、そのくだりは実にコミカルで楽しい。
ただ、それが荒唐無稽なエピソードであっても、彼らが古びた楽器を引っ張り出してきて懐かしそうに演奏し、仲間に入っていく様子を見ると、編成がいかに大変かを知っている僕としては、笑うというより、次第に目頭が熱くなった。

Le-Concert-01.jpg

後半はフランスに舞台が移る。
今後映画を観る方のために細かいストーリーは省くが、公演プログラムは、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。

ソリスト役は「イングロリアス・バスタース」のメラニー・ロランが演じ、実に知的で美しく魅力的だ。
また勉強の甲斐あって、フランス語の会話が、ほんの一部ではあるが、ところどころ聞き取れたこともうれしい。


翌月は北九州市で上映されるらしいので、できればもう1回観に行きたいと思っている。





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Last updated  2010.05.18 19:12:49


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