2008.02.27
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カテゴリ: テレビ
テレビを見ていると、世界の怖いお化け屋敷ベスト3というのをやっていた。
1位にランキングされたのは日本のお化け屋敷で、手術の失敗が原因で潰れてしまい廃墟と化した病院という設定だった。

病院というのは現役で使われていても不気味な雰囲気が漂っている。
夜ともなれば怪しい現象がたびたび見られることもある。

廃墟というのは病院でなくても気持ちの悪いものである。
現に世間には廃墟マニアという存在があり、有名な廃墟は肝試し感覚のマニアたちで賑わっているという。

この二つが交われば怖くないはずがない。
廃墟になった病院は何も手を加える必要もなく、ただただその存在そのものが怖い。

そこに来てこのお化け屋敷ではスタッフ達がおどろおどろしいいでたちでお客たちを怖がらせている。

しかも不気味に震えていたかと思うと突如としてお客を追いかけてくる。

はっきり言って呆れてしまう。
べつにこんなギミックを使わなくても、暗がりで突然追いかけられたら驚くに決まっている。
こんなの卑怯の極みだ。
エンターテーメントとして稚拙もいいところ。

不気味なものと怖いものと気持ちの悪いものといきなり驚かせるものを足し込んだだけの、よく考えているようで何も考えていない思考停止の産物である。



僕はかねがね邦画に見られた和製ホラーブームというものに危機感を抱いていた。
なぜなら怖がらせるという演出は一番簡単だからである。
もちろん作品の中には名作と呼ぶに相応しいものもある。
ブームの先駆けとなった「リング」などは素晴らしい完成度であった。
過去を遡ると「四谷怪談」や「生きている小平次」などの不朽の名作もある。

そこが他の和製ホラーと比べ一線を画すところであった。

質の悪い和製ホラーでは、ひたすら不気味な設定に気持ちの悪い登場人物、使い古しのストーリに後味の悪い終わり方、適当なところでいきなりオドロオドロシイものを出して客の悲鳴を誘うという安直な演出、正直いって製作者の才能の無さに目を覆いたくなる御粗末さである。

廃墟病院のお化け屋敷にはそれと同じ凝ってなさを感じるのだ。
大仕掛けで凝りに凝っているように見えて、実は簡単な足し算だけの子供騙し。
お化け屋敷なんて所詮そんなもんでしょと知ったふうなこと言ってしまえばそれまでである。


廃墟病院のお化け屋敷を簡単にたとえると、ウケないとなると急に下ネタに走ったり客を弄りにくる三流芸人を彷彿してしまう。





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最終更新日  2008.02.27 22:16:03
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