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2006年06月04日
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カテゴリ: 学校生活
かえでの同級生に、Hクンという子がいた。


Hクンは、今どき珍しく6人兄弟で、3番目の子だった。
家庭の複雑な事情?で、全員が知的障害があり、当時は上の2人と一緒に、
かえでの通う養護学校に隣接された更生施設に入所していた。

入所している子供たちは、週末になると自宅に帰ることになっていたけど、
Hクンの家は、虐待やいろんな事情があって、ほとんど帰宅することはなかった。



小学校3年生になって間もない、5月のとある日曜日の朝のこと。

その週末も自宅に帰れず、施設で兄弟と過ごしていたHクンは、なぜか外に出たがっていたらしい。
朝の早い時間に、一度ひとりで出て行ってしまい、職員が探して連れ戻したけど、



直線にして500mほどのところに、列車の線路がある。
線路沿いの道には、酒屋さん、神社、小さな池、田んぼなどがあり、
のどかな場所なので、施設や学校の散歩でもよく通る道だった。

Hクンはそこがお気に入りだったのか、その朝もそこを目指してトコトコと一人で歩いていった。


そして、池のそばで何故か洋服を脱いで、全裸のまま池の浅いところで遊び、
そのまま線路に侵入していった。

酒屋のおばさんがHクンを見つけて、驚いて声を掛けて、慌てて駆け寄った。



 危ない!早く出なさいっ



知的障害のあるHクンには、声は届かなかった。


その直後、ものすごいブレーキの音をさせながら、列車が止まった。

でも、間に合わなかった。


全裸のHクンは、粉々になっていたと聞いた・・・




以前にも入所の子供さんが列車事故があったそうで、
非番の職員はHクン行方不明の連絡を受けて、真っ先に線路に向かって車を走らせたそうだ。

駅でもないところに列車が止まっているのを見た職員は、茫然としたという。


病院で粉々になってしまった身体をつなぎ合わせてもらって、
痛々しい姿で、自宅ではなく施設に帰ってきたHクン。



みんな頭がクラクラして倒れそうになった。
ひとりのお母さんは、貧血を起こして本当に倒れてしまった。


その晩、何組かの親子でお通夜に行った。
やはり自宅ではなく、葬儀場の一室にHクンは棺に納められて眠っていた。

最期でも、自宅に帰ることが出来なかったHクンが、可哀想だった。

事故は怖い。
危険を察知する力がないかえでは、おとなしく歩いていたかと思えば、
急に道路に飛び出すこともある
また、Hクンが行った散歩の道は、これからは通ってほしくないなぁと思い、他のお母さん達と
「その散歩コースをやめてほしい」と先生にお願いした。


お葬式にも参列。
かえでや他の養護学校の友達も一緒に参列したけど・・・

人の『死』って、どうやったらこの子達に伝えることが出来るのだろう。

まったくワケのわかっていない自閉症や知的障害のある子供たちは、
お寺の広間で、大声で叫んだり、脱走したり、寝そべったり、本当に大変だった





その頃、同居の実母は、狭心症の発作が頻繁に起こるようになっていた。
検査も兼ねて入院する事になり、検査の都合で私が付き添いをした。

かえでは、ショートステイ(一時預かり制度)を利用して、施設に宿泊することになった。
自宅や旅行以外で、外に泊まるのは初めてだった。


母の発作がある度に、万が一のことを考えておかなくては・・・と思っていた。

母が亡くなるのは、もちろんとても辛いことだし、あまり考えたくはないけど、
Hクンのこともあって、お葬式が我が家であったら、かえではどうすればいいんだろう。
その頃から、そんなことを考えるようになった。


その初めての宿泊を機会に、かえでは3ヶ月に1度くらいの割合で、お泊り体験をさせた。

何事も、備えあれば憂いなし。
もし母が何かあった時は、施設で安心して過ごせるようにしておきたい。
自閉症の子にとって、いきなり出くわすことほど、大変なことはない。
少しずつ慣れておかなくては、とっさの場合に困ってしまう。


人が死ぬ悲しみより、どうやって障害のある子の環境を確保するか、
そっちを先に考えなくてはならないなんて、
ちょっとヘンだけど、これも障害児を持ったら仕方のないことだと思った。



普通の健常児だったらなぁ~と、またちょっと溜息をついてしまった私でした










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最終更新日  2006年06月04日 16時56分02秒
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