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dokidoki1234さん
いもようかん♪さんキーワードサーチ
もう10年くらい前に、日テレ系の番組で 『特報王国』
っていうのを放送していた。
今はもう放送されてないけど、覚えている人いるかな~^^
視聴者が、身の回りで起こった珍しい事件や、すごいことなどを番組に送ってきて、レポーターが取材に出かけ、そこで、その事件を目の当たりにすると・・・
「うわぁ~~~~っ!」 とか
「ガーーーーーーン!」 とか
レポーターの映像が ネガ
に逆転し、すごく驚いた感じになって、
その後、投稿した人がその事件などを紹介する、っていう番組。(言ってる意味わかる?)
その番組で紹介されたレポートに賞がついて、特賞にはなんと 30万円 がもらえた。
くだらない番組だと思ったけど、なんかワケもなく笑えるところがあって、なぜか毎週見ていた。
「こんなので30万ももらえるなら、うちでもなんか送ろうか」
と夫が言い出した。
「なんかネタってないか~?」 とすっかりその気。
私は
「平凡に生きている我が家に、ネタなんかあるわけないじゃん」
と言ったあと、
待てよ?
我が家はちっとも平凡じゃないよ。
なんたって、 宇宙人
がいるんだもん
「あ~~っ!ネタあるあるっ!」
「何?どんなヤツ?くだらんヤツじゃダメだぜ」
「
宇宙の言葉を話す少年
ってのどう?
絶対イケルと思う!30万円ゲーット!」
「ぎゃはは! おぅ!それいいわ!すげぇわお前!」
「でしょ~?・・・・・」
こんなことで褒められて、喜ぶ低レベルな私・・・
その頃、こども発達センターに通っていたかえで。
まともな言葉はなく、意味不明な声をゴニョゴニョ発しているだけだった。
両手を上げ、ワケのわからない踊りのようなものをしたり、
必ず同じところで同じ行動をしたり、毎日見ているから、当たり前に思っていたけど、
知らない人が見たら、どう見てもやっぱりヘンだった。
私たちは、そんなかえでを見て、 「宇宙と交信してる」 と言った。
親子バス遠足の時、バスの中でお母さん達とワイワイ話していて、
「Yくんは中国語っぽい言葉だよね」
「M子ちゃんと似てるけど、
Yくんは広東語で、M子ちゃんは北京語だわ」
「Dちゃんはロシア語っぽいなぁ」 (みんな自閉症・・・)
「かえでくんは~、なんだろ・・・何語だろ?」
そんな話の中で 「かえでは宇宙語」 と言ったら、大爆笑になった。
「特報王国に、 宇宙の言葉を話す少年
って投稿すれば、
賞金30万!すごいでしょ」
「うわぁ~! 子供を売ったな~~^^」
「わはは!この際、かえでで儲けてやるぞ~~」
かえでは、宇宙と交信しながら、だんだん地球の言葉を獲得していった。
でもなかなか発音はうまく出来なかった。
車(くるま)= クムマ
アイス= アイヒュ
アチチ(熱いこと)= アティティ
コタツ= コタトゥ
おさかな= おひゃかな
今でも、こんな感じでポツポツと言葉を発している。
意味不明な言葉でも、かえでからの唯一のコミュニケーション手段。
少しでも聞き逃さないように、私達の耳も、宇宙人仕様になっていった。
だいぶ言葉が増えたけど、たどたどしく言葉を発するかえでを見ていると、
純粋さがいっぱい溢れていて、思わず15歳思春期真っ只中の少年を、
ギュ~っと抱きしめてしまう
「ぎぇ~~っ!」 と声をあげていやがるかえで。
そして 「おわりっ!」 と、ピシっと言われてしまった・・・ごめん
特報王国には投稿しなかったけど(出せるわけないじゃん)、
かえでは、宇宙との交信を、今でも欠かさずやっているのだ