趣味の漢詩と日本文学

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January 4, 2007
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カテゴリ: 漢詩・漢文
謫仙怨 答秦徴君徐少府春日見集■(クサカンムリのしたに「召」。チョウ。)溪酬梁耿別後見寄六言 劉長卿
清川落日初低(一作永路何極)、惆悵(一作落日)孤舟解攜。
鳥去(一作向)平蕪遠近、人隨流水東西。
白雲千里萬里、明月前溪後溪。
獨恨(一作惆悵)長沙謫去、江潭春(一作芳)草萋萋。
【韻字】携・西・渓・萋(平声、斉韻)。
【訓読文】
謫仙怨 秦徴君・徐少府の春日■(チョウ)渓に集はるるに答へ、梁耿の別後寄せらるるに酬ふ。六言 劉長卿
清川落日初めて低れ(一に「永路何ぞ極まらん」に作る)、惆悵す(一に「落日」に作る)孤舟携へしを解くを。

白雲千里万里、明月前渓後渓。
独り恨む(一に「惆悵す」に作る)長沙に謫去せられしを、江潭春(一に「芳」に作る)草萋萋たり。
【注】睦州(浙江省建徳県)司馬の任にあった時分の作。
○秦徴君 秦系。字は公緒。越州会稽の人。天宝中、京に赴き挙に応ずるも第せず、天宝末、乱を避け越に帰り、隠居した。貞元七年、徐泗豪節度使の張建封の従事、検校秘書省校書郎となった。張建封の没後、呉の茅山に住した。
○徐少府 劉長卿の友人らしいが、未詳。「少府」は、県尉。県令の補佐官。
○■(クサカンムリのしたに「召」。チョウ。)渓 東■(チョウ)渓と西■(チョウ)渓があり、浙江省湖州市で合流して太湖に注ぐ。
○梁耿 劉長卿の友人らしいが、未詳。
○惆悵 恨み嘆くさま。
○解携 つないでいた手を放して別れる。
○平蕪 雑草の茂った野原。
○前渓 武康県(浙江省呉興県の南)の西にある渓谷。

○長沙 湖南省長沙市。 
【訳】
秦徴君・徐少府の二人が、ある春の日に■(チョウ)渓に集まってくれた厚意に答え、また梁耿が別れて後に贈ってくれた詩に答えた詩。
川に夕陽は傾きて、船にのらんと手を分かつ。
鳥もねぐらへ帰るころ、東と西にわかれゆく。

長沙へ左遷うらめしや、草のみ茂る川っぷち。

【参考】
 謫仙怨(集作律詩,題云■(チョウ)溪酬梁耿別後見寄。) 劉長卿
晴川落日初低、惆悵孤舟解攜。
鳥向平蕪遠近、人隨流水東西。  
白雲千里萬里、明月前溪後溪。
獨恨長沙謫去、江潭春草萋萋。





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Last updated  January 4, 2007 04:05:31 PM
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