趣味の漢詩と日本文学

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March 12, 2007
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カテゴリ: 漢詩・漢文
過鄭山人所居 劉長卿
寂寂孤鶯啼杏園、寥寥一犬吠桃源(一作白首深藏谷口村、春山犬吠武陵原)。
落花芳草無尋處、萬壑千峰獨閉門。
【韻字】園・源・門(平声、元韻)。
【訓読文】
鄭山人が所居に過(よぎ)る。
寂寂として孤鴬杏園に啼き、寥寥として一犬桃源に吠ゆ(一に「白首深蔵谷口村、春山犬吠武陵原」に作る)。
落花芳草尋ぬる処無く、万壑千峰独り門を閉づ。
【注】

○鄭山人 劉長卿の知人らしいが未詳。
○所居 住まい。
○寂寂 ひっそりとしているようす。
○孤鴬 一羽のチョウセングイス。
○杏園 カラモモ(薄桃色の五弁の花が咲く)の庭園。
○寥寥 ものさびしいようす。
○桃源 モモの咲き乱れる水源地。
○白首 白髪頭の老人。
○谷口 たにの入り口。
○武陵原 秦代に乱世を避けた人が移り住んだ別天地。いまの湖南省常徳県の西。
○落花芳草 陶淵明《桃花源記》「芳草鮮美にして、落英繽紛たり」。

○閉門 門をしめる。世間との交際を絶つたとえ。
【訳】
鄭山人の住居に立ち寄ったときの詩。
アンズの花咲く庭園にひっそり鳴くはウグイスか、モモの花咲く水源地わが身見とがめ犬は吠ゆ。
花は舞い落ち芳しき草生い茂り道も無く、谷峰こえたその奥に門を閉じてぞ君は住む。







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Last updated  March 12, 2007 02:15:15 PM
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