趣味の漢詩と日本文学

趣味の漢詩と日本文学

March 16, 2007
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カテゴリ: 漢詩・漢文
奉使鄂渚至烏江道中作 劉長卿
滄洲不復戀魚竿、白髮那堪戴鐵冠。
客路向南何處是、蘆花千(一作十)里雪漫漫。
【韻字】竿・冠・漫(平声、寒韻)。
【訓読文】
使ひを鄂渚に奉じて烏江に至る道中の作。
滄洲復た魚竿を恋はず、白髮那ぞ鉄冠を戴くに堪へんや。
客路南に向ふ何れの処か是ならん、蘆花千(一に「十」に作る)里雪漫漫たり。
【注】宝応元(七六二)秋、揚州より使者として西のかた鄂州に赴く途中の作。

○鄂渚 湖北省武漢市武昌。
○烏江 安徽省和県の東北。むかし項羽が没した所という。
○道中 旅の途中。
○滄洲 水が曲がって入り込んだ所。隠者の住居。
○不復A まるっきりAしない。
○魚竿 漁竿。釣り竿。釣りは隠者の好むもの。
○白髮 しらがあたま。老人。
○那堪 反語表現。どうしてたえよう、いや、たえられぬ。
○鉄冠 冠柱を鉄でつくる法冠。
○客路 旅路。
○何処是 どのあたりが、烏江であろう。

○千里 いたるところ。どこもかしこも。
○雪 アシの花の見立て。
○漫漫 はてしないようす。また、雪の白く美しいさま。
【訳】
使者として鄂渚に行くことになり、烏江に至る旅路の途中で作った詩。

南めざして旅すれど烏江いずれのあたりにや、どこもかしこもアシの花、雪のごとくに真っ白じゃ。





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Last updated  March 16, 2007 09:15:45 PM
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