趣味の漢詩と日本文学

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October 31, 2007
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カテゴリ: 漢詩・漢文
送崔使君赴壽州 劉長卿
列郡專城分國憂、■(「丹」のみぎに「彡」。トウ)●(「瞻」の「目」を「巾」に換えた字。セン)皀蓋古諸侯。
仲華遇主年猶少、公瑾論功位已酬。
草色青青迎建隼、蝉聲處處雜鳴▼「趨」の「走」を「馬」に換えた字。スウ)。
千里相思如可見、淮南木葉正驚秋。
【韻字】憂・侯・酬・▼(スウ)・秋(平声、尤韻)。
【訓読文】
崔使君の寿州に赴くを送る。
列郡専城国の憂ひを分かち、■(「丹」のみぎに「彡」。トウ)●(「瞻」の「目」を「巾」に換えた字。セン)皀蓋古への諸侯。

草色青青迎建隼を迎へ、蝉声処処鳴▼「趨」の「走」を「馬」に換えた字。スウ)を雑(まじ)ふ。
千里相思ひて如(もし)見るべくんば、淮南木葉正に秋に驚く。
【注】
○崔使君 未詳。「使君」は、州郡の長官に対する尊称。
○寿州 安徽省寿県。
○列郡 各郡。
○専城 地方長官。
○■(トウ)●(セン) 車蓋の周囲にさげる朱色のたれぎぬ。
○皀蓋 黒い車蓋。
○仲華 ▲(「登」にオオザト。トウ)禹の字。後漢の南陽新野の人。年十三にして能く詩を誦す。長安に遊学し劉秀(光武帝)と親しんだ。
○公瑾 周瑜の字。三国時代の廬江の舒の人。劉備と協力し赤壁に曹操軍を破り、南郡の太守に拝せられた。

○建隼 地方長官はハヤブサを画いた旗を建てる。
【訳】
崔使君が寿州に赴任するのを見送る。
君は太守に任ぜられ国を憂いて政治とり、かつての諸侯さながらに車ととのえ赴任する。
仲華は若きときすでに光武に厚遇されており、公瑾手柄たてしときすでに南郡太守たり。

千里のかなた君思い、もしも再びあえるなら、淮南の地に木の葉散り秋のおとずれ驚かん。

【参考】
『全唐詩』巻二五〇
 送崔使君赴壽州(一作劉長卿詩) 皇甫冉
列郡專城分國憂、■(トウ)●(セン)皀蓋古諸侯。仲華遇主年猶少,公瑾論兵位已酬。
草色青青宜建隼,蝉聲處處雜鳴▼(スウ)。千里相思如可見,淮南木落早驚秋。






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Last updated  November 5, 2007 08:07:02 PM
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