趣味の漢詩と日本文学

趣味の漢詩と日本文学

March 23, 2009
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カテゴリ: 国漢文
【本文】
廿五日。かみのたちより、よびにふみもてきたなり。よばれていたりて、ひひとひ、よひとよ、とかくあそぶやうにてあけにけり。
【注】
●かみのたち 国守の官舎。
●きたなり 「来たるなり」の音便「来たんなり」の「ん」の無表記。「なり」は伝聞・推定の助動詞。
●あけにけり この「に」は完了の助動詞「ぬ」の連用形。この言い方には、ほんとうは一日も早く帰京したいのに、呼びつけられて丸一日つぶれてしまったという、迷惑に感じているニュアンスがこめられているのであろう。
【訳】
二十五日。国守の官舎から、呼びに手紙をもって使者がやってきたようだ。呼ばれて官舎に着いて、日中ずっと、また続けて一晩中、あれやこれやと歌舞音曲に熱中するような調子で、夜がすっかり明けてしまった。





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Last updated  March 23, 2009 09:16:53 AM
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