趣味の漢詩と日本文学

趣味の漢詩と日本文学

March 6, 2010
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【本文】十日、さはることありてのぼらず。
【訳】二月十日、差し障りがあって、今日は川をさかのぼらなかった。

【本文】十一日、雨いささか降りてやみぬ。かくてさしのぼるに東のかたに山のよこほれるを見て人に問へば「八幡の宮」といふ。これを聞きてよろこびて人々をがみ奉る。
【訳】十一日、雨がサアーッと降ってやんだ。こんなわけで棹をさし川をさかのぼっているときに、東方に山が横たわっているのを目にして、人に質問したところ、八幡神社だと答えた。これを聞いて喜んで人々が拝み申し上げた。

【本文】山崎の橋見ゆ。嬉しきこと限りなし。ここに相應寺のほとりに、しばし船をとどめてとかく定むる事あり。この寺の岸のほとりに柳多くあり。ある人この柳のかげの川の底にうつれるを見てよめる歌、

「さざれ浪よするあやをば青柳のかげのいとして織るかとぞ見る」
【訳】山崎の橋が見えた。嬉しいことこの上ない。ところで、相応寺のそばに、しばらく船を停泊してこれからの予定を決めた。この寺の岸のほとりに柳がたくさん植えられている。ある人がこの柳の姿が川面に映っているのを見て詠んだ歌。
「ちいさな波が打ち寄せるその波紋を、まるで青柳の川面に映る細い枝を使って織っているのかのように見た。






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Last updated  March 6, 2010 06:30:25 PM
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