読書日記（大半は図書館で借りた本です）

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2012.10.27

永嶋恵美さんの久しぶりの小説です。

以前はどうしようもなく暗いハナシだったような記憶があったので恐る恐る手に取ったのです。なにせ表題作が”廃工場”から始まりますから・・・

廃工場、廃校、廃園、廃線、廃道、廃村と六つの場所を舞台にした短編集です。

そんな人がいなくなり静かに朽ち果てるのを待つだけの場所（中にはこれから生まれ変わるところもありますが）で人の再生の物語を描いてあります。

これが結構温か目のハナシで、なんか元気をもらえるような小説です。

”話を始めなければ理解は始まらない”みたいなちょっと教訓めいた話がハートウォームに綴られてきて、あ、やっぱり人間一人で頑張るだけじゃダメなんだなぁ、と素直に心に染みてくるような感じです。

まぁ、実践できるかどうかはむつかしいところではなりますがネ。