潤風満帆☆ごきげん号!!

潤風満帆☆ごきげん号!!

January 30, 2004
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テーマ: 白い巨塔(291)
カテゴリ: カテゴリ未分類
 私、今回の『白い巨塔』は内容についてゆく以前に、心情的な方にばかり感心が行ってしまいました。

 う~ん、やっぱり、人間模様ドロドロ~って感じです。

 一見、正義の人の里見先生ですが、結局は自分が「あれだけ検査をしてみてくれと言ったのに」「財前、自分の勝手で手術を最終教授回診に合わすために強行しやがって!」「海外学会先にメールも送って助けを求めたのに無視ししやがって!」「患者の命のために僕があんなに一生懸命だったのに!」という思いと「里見先生お願いします!」という遺族や弁護しの熱意に動かされている・・・・正しいよ、正しいけど、なぜ美しく見えないかが問題だわ。

 弁護士だって、里見先生の証言のあるなしで、コロッと態度が変わったじゃないですか。態度と言うか、仕事に対する熱意。負けるに決まってるものには燃えないけど、勝てる見込みが出来てきたら、何としてでも勝つぞ!みたいな気迫さえ出てきて、あからさま。

 里見先生も、自分の証言で佐々木さん遺族を勝たせてあげることが出来るみたいな自負を持ってるし。

 佐々木さん遺族もまだ「父ちゃんの無念をはらしたいだけ」「お金目当てじゃない、無念をはらしたいだけ」みたいなこと言ってましたが、いいように言い換えないで、って感じ。遺族が財前に恨みをもってるから、その恨みをはらしたい、本音で闘ってほしい。私達の大事なおとうちゃん、弁当屋を頑張ってもり立てて来たお父ちゃん、財前のせいで死んじゃって、どうしてくれるのよ!という本音。その方が気持ちがいい。いつまでも勝ち負け関係なく、お父ちゃんの無念をはらすため、なんて綺麗なことは言わないでほしい。天国のお父ちゃんもいい迷惑かも。

 また、別の面で、里見先生の奥さんが「証言をするのやめて」とやっとの思いで言い出したあと、日々積もってたウップンみたいなのも言い出してだんだん涙声になったあたり、ぐっと胸に来ました。

 24時間企業戦死のお父さんや、事業やお商売、などなどいろんな忙しいお父さんをお持ちの奥様おられましょうし、似たような気持ちの奥さんも多いのではないでしょうか。

 うちの主人も里見先生と同じ仕事で、勤めは総合病院ですが、うちに持ち帰ることなく、仕事のあとにデスクで臨床研究もして論文なんか書いてるようですから、帰宅後や休日はある意味気も使いますし、里見先生の奥さんが言ったように「日頃話したいことも我慢してきた」「あなたが仕事をやりやすいようにしてきた」等のことはとてもよくわかるのです。



 結婚してすぐは、そのあたりもよくわからずに、帰宅してきた主人は「私の夫」として当たり前の姿を望んでしまっていました。でも、主人の立場になれば、「私の夫」「家族の長」であるのは一日のわずかな時間であって、ほとんどが仕事。仕事が休みの日でも、ほとんど拘束がかかっていて、患者の容態や救急で病院に行かねばならない、若い頃程ひんぱんに夜中でも行ってましたね。主人の機嫌の如何も察することが出来ずに、結局逆に私が悶々としてしまったり、喧嘩にもならないんだけど、お互いにぎくしゃくすることがよくありました。

 もう昔のことなので、今となれば笑い話・・・というか、ほとんど記憶も薄れています。今は、やっぱりいい意味で主人の機嫌を測りつつ考えながら話題を出したり、黙っていたり、それでどの程度主人に居心地のいい家になってるかどうかわかりませんが、私としては円満な夫婦に近付いてるように思います。

 人の命を預かり、人の命を対象にした仕事、肉体的にも精神的にもかなり疲れるようで、主人の口癖は「あと10年」・・・余命がということです。心身とも酷使しているからってことらしいのですが、勝手に寿命を決めてほしくないです。

 主人が仕事を生き甲斐としているので、家族として可能なサポートはしますが、体は代わってあげられないので、仕事やめて塾の先生とかに転職したら、と本気で最近勧めています。主人は無理に無理を重ねるタイプなので、本当に心配です。

 主人は転勤続きの勤務医なので、開業医さんのようにお金持ちでもないし、里見先生の家を見ると、うちのような感じで笑えます。大学病院はお給料も信じられないくらい安いし、世間が思っているような豪華な生活は出来ません。我が家もです。主人も白衣を脱いだら、絶対にお医者さんには見えないタイプですが、私もいわゆる「お医者さんの奥さん」には見えないとよく言われるので、そう言われることを喜んでしまいます。外車にも乗ってないし、夫婦ともローレックスもはめてないし、シャネル等ブランド品も縁がありませんし、絵に描いたような贅沢してないなあ。

 職業が医者と言うとお金持ちという世間の考えは、早くなくなってほしいです。勤務医の給料相場は30年前から変わっていないそうです・・・物価が変動してるのに、医者の世界は労働組合とかないですもんね。医者は大変しんどい忙しい職業だとわかってほしいです。

 いまだに休みも少ないし、呼ばれたらすぐに病院に戻れるように近場しか出かけられないし、家族で旅行なんて勿論無理。子供達の夏休みや冬休みでも、家族でお泊まりと言えばせいぜい隣県への帰省くらい。この前の年末年始も、いつ呼び出しがかかるかヒヤヒヤしながらの帰省でした。

 主人の職業で逆差別みたいなのを受けたこともあるので、結婚後ずっと初めて知り合う人には隠してきましたし、よっぽどでないと言わないし、この日記でも書かないようにしてきましたが、里見先生の奥さんの涙声を聞いて、つい・・・。

 話がそれましたが、もし私が里見先生の奥さんだったら,
主人が里見先生のような立場になったら・・・・あれを切り出す勇気はない、というか、「証言をやめて」とも思わないし、主人任せにしちゃうなあ・・・いくら、先々自分達の将来にかかわるとしたって、嫁の私のかかわったことじゃないし、主人の判断をどうのこうの言えないし、主人に迷うだけ迷わせ考えるだけ考えさせ、主人の決めたようにしてもらうなあ。(主人が新聞をトイレに持ち込んで読んでたら、「やめて!」って言いますけどね。)

 主人が正義の人であれ、偽善者であれ、どっちだとしても。



 研究が出来なくなっちゃうとしても、それは里見先生わかってて前進してるんだし、仕方ないよな・・・・離島のDr.コト-になるもよし、じゃないか?里見先生・・・






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最終更新日  January 31, 2004 04:48:32 PM


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