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怪談の名手・三遊亭円朝の原作を、低予算ながらもなかなか格調高く映画化したのが'59年の大蔵新東宝作品「怪談鏡ヶ淵」。【中古】怪談 鏡ヶ渕 [DVD]新東宝がエログロ路線に突入してから製作された作品ですが、エログロなんてとんでもない!怪談のツボを踏まえた演出と、無駄のないシナリオが織り成す傑作です。本当にシナリオの構成や台詞に、無駄というものがひとつもないんですね。わずか1時間で、登場人物の人間関係は勿論のこと、各人物が抱く思い、各人物の人となりが、じっくりわかるんです。ストーリーもそうですが、人物たちが、まるで古代のギリシア悲劇のそれのようでしたね。実にうまく練ったシナリオだと、感心しました。演出もお化け屋敷の手法をとっていて、今観ると、やや稚拙な感は否めませんでしたが、不気味でしたね。惜しむらくは、この作品、モノクロだということ。「東海道四谷怪談」のようにカラーだったら、もっと怖さを演出できたでしょうね。にほんブログ村
2010.10.18
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キワモノすぎるほどキワモノ的なタイトル、キワモノの匂いがプンプン漂うポスターや看板、チラシ。それが大蔵新東宝エログロ路線映画のウリでしたが、この「女吸血鬼」なんざ、まさにその典型!女吸血鬼(DVD) ◆20%OFF!まずこれ、「看板に偽りあり」ですよ。だって、女の吸血鬼なんか一人も出てこないもん!唯一登場する吸血鬼を演じるのは、新東宝のスター・天知茂。この吸血鬼、天草四郎の遺児・勝姫に仕える小姓で、死んだ勝姫の血を吸ったことで、永遠の命を得た(言い換えれば死ぬに死ねなくなった)のだが、吸血鬼というよりは、まるで狼男。満月を見ると苦しみ出し、吸血鬼に変身するんだから。おまけにこの吸血鬼、異形の小人、スキンヘッドの大男、不気味な老婆という3人の下僕を使い、悪事を働くのだから、超マンガチック。狼男、ドラキュラ、江戸川乱歩作品を下手に貼りあわせたようななんともマヌケでチープな出来です。三原葉子は相変わらずボリュームのある肉体をさらしていて、それなりに美しいですが、その娘役の池内淳子は、なんだか妙におばさん臭かったです。さんざん悪口言ったけど、モイラ、この映画、嫌いになれないんですよ。それは‥‥天知茂の吸血鬼が、ビジュアル的にはなかなか鬼気迫り、美しいからです。監督は「地獄」、「東海道四谷怪談」の中川信夫。まったりしたい夜にオススメの一作です。
2010.10.17
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こんばんは、映画狂のモイラでございます♪今夜の映画は、'83年の日英合作映画にして、大島渚監督渾身の一作‥‥「戦場のメリークリスマス」。戦場のメリークリスマス [ デヴィッド・ボウイ ]戦場のメリークリスマス [Blu-ray]時は第二次世界大戦中。ジャワの山奥にある日本軍捕虜収容所。嘗て二・二六事件の時、決起将校の1人に加われず、自らの身の上を「死に遅れた」と恥じる、昔の武士のようなヨノイ大尉(坂本龍一)や、17歳で軍隊に志願し、いつでもお国のために命を捧げる覚悟でいる直情型のハラ軍曹(ビートたけし)らの鋭い監視の下、連合軍の俘虜たちは息を詰めて囚われの毎日を送っていた。ある時、ジャック・セリアズ少佐(デヴィッド・ボウイー)が収容所に収監された時から、収容所のみならず、監視する日本兵たちの中の空気が次第に変化して‥‥軍事裁判で堂々と「投降した」と語るセリアズのすがすがしい態度に、「生きて虜囚の辱めを受けず」が信条のヨノイが大いに驚くシーンが、強烈に印象に残っています。このあと、ヨノイはセリアズという美貌のエリート軍人が気になってたまらなくなるのですが‥‥ハラ軍曹と日本語が達者な俘虜・ロレンス(トム・コンティ)の敵味方という立場を超えた人間同士の交流がまた、素晴らしかったです。ハラの「ロレンス、貴様なぜ捕虜になっても自害せんのだ?」という質問に、苦笑しながらも真面目に答えるロレンスの横顔が、とてもよかった。でもこの作品、シナリオや演出よりも、キャスティングの1人勝ちですよ。よくまあ、演技経験のない坂本龍一を、思い切って若い将校役に起用したもんです。いくら当時、YMOの音楽がヒットしてて、坂本氏が話題の人だったとはいえ‥‥その坂本氏と、同じくカリスマ・ミュージシャンのデヴィッド・ボウイーを絡ませるんだから、もうすごすぎます!当時タケチャンマンで、お茶の間で人気を博していたビートたけしの起用も英断!それまで彼は映画やドラマ出演経験が多少あったけど、そのほとんどがコミカルな役どころ。ところがこの作品では、シリアスな鬼軍曹役ですからね。でも、全然違和感がないどころか、めっちゃハマってましたね。「永遠の憧れはヨノイ様~」の帝国下っ端軍人役に。日本語を巧みに操る俘虜・トム・コンティの演技も、見事でした。もう一度言います。この作品、キャスティングの1人勝ちですよ。それも、坂本龍一、デヴィッド・ボウイー、ビートたけし、トム・コンティ、この4人が1人でも欠けていたら、ぜーったい成り立たない作品だったと思います。
2010.10.10
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群馬の伊香保温泉といえば、徳富蘆花の小説「不如帰」の舞台にもなりましたが、モイラ的には、この映画の舞台という印象が強いです。【25%OFF】[DVD] 浮雲温泉街を貫く長い階段が有名ですが、この階段はまるで「浮雲」の腐れ縁を思い起こさせます。岡田茉莉子がおせいという、無知ゆえに情熱的な温泉街の女を演じていましたね。伊香保の宿の数々です。伊香保温泉 岸権旅館 創業天正4年(1576年)伊香保温泉 四季の宿 晴観荘伊香保温泉 ホテルニュー伊香保伊香保温泉 お宿玉樹モイラもあの階段、上がってみたいな♪
2010.10.06
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