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★モイラの名画座★

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2007.01.29

前科者の悲しい運命★「暗黒街のふたり」

(9)

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

フランス映画界を代表する名優ジャン･ギャバンと、天下の色男アラン・ドロン ‥‥
その二大スター３度目の共演を果たしたのが、この作品、
「暗黒街のふたり」

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モイラは「暗黒街のふたり」というタイトルを見たとき、
「ああ、『シシリアン』みたいなギャング映画か‥‥」と思ったのですが、
名画座に行って観てびっくり‥‥！
これは社会の偏見を告発し、果てはフランスの（当時の）死刑制度の是非まで問うた、大変シリアスな社会派ドラマでした！

銀行強盗の罪で懲役12年の刑をくらったジーノ（ドロン）が、
老保護司ジェルマン（ギャバン）の尽力で、刑期をあと２年残すところで釈放され、
彼の帰りを待ちわびていた妻・ソフィ（イラリア・オッキーニ）のもとへ帰ります。
服役中に習得した印刷技術を生かして、小さな印刷工場に就職し、
「妻のために、小さな幸せを守るために、俺は二度と悪事には手を染めまい。今度こそ真面目に働いて生きよう！」
ジーノはそう固く決心し、ジェルマンの激励や、第二次大戦中、地下レジスタンスの闘士だった印刷工場の老主人の厚意で、人生のやり直しをしようとするのですが‥‥
ああ前科者の悲しさ、かつてのワル仲間が仕事中にやってきては、「また一緒に強盗をやろう」と誘いをかけたり、
さらに忌まわしいことに、以前ジーノを逮捕した執念深い警部ゴワトローまでやってきて、
「お前みたいな悪党は、絶対また犯罪に手を染める。だから俺は、お前をつけまわす」みたいなことまで言われ、本当につけまわされるのです。
そんな中、ジーノは最愛の妻ソフィを交通事故でなくし、悲しみのどん底に‥‥
それでもジェルマンやその家族に励まされ、なんとか立ち直り、
希望を持って真面目に生きようと奮起し、新しい恋人もできます。
だけど‥‥！ゴワトロー警部はジーノの更生を信用せず、なおも執拗に彼をつけまわし、
ついには、ジーノの恋人にまでいやらしいことをしかけ、
とうとう、こらえにこらえていたジーノの怒りが爆発‥‥!!

まずモイラが感じたのは、シナリオの展開が、昔の日本映画のそれによく似ているということでしたね。
監督は「冒険者たち」のジョゼ・ジョバンニですが、
この人は、タランティーノじゃないけど、昔の日本映画をよく観て研究しているんじゃないかなあと思いました。
それにしても、あまりにも悲しすぎる話でした。
前科者が色眼鏡で見られるのは、日本もフランスも変わらないのだなあと、つくづく思いましたね。
ラスト･シーン‥‥無惨でしたね。
こんな悲しい、理不尽といえば理不尽な内容の映画が遺作となったギャバンは、
心中どんな思いだったでしょうねえ‥‥

ちなみにフランスでは、ギロチンによる処刑は1976年に廃止されたそうです。
それまでずっと、フランス大革命時代の残酷な処刑方法が続いていたってところが、
ヨーロッパの悪い意味での旧態然とした一面を、思い起こさせますね。

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最終更新日 2020.05.02 21:28:59
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■コメント

Re:前科者の悲しい運命★「暗黒街のふたり」(01/29)

大西俊郎さん

ジャン･ギャバン、渋い役者でした。望郷、ヘッドライト、地下室のメロディ、全部みてますが、望郷のペペルモコが最も好きですね。 (2007.01.29 12:34:39)

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Re[1]:前科者の悲しい運命★「暗黒街のふたり」(01/29)

モイラ2007 さん

大西俊郎さん、こんにちは！

＞ジャン･ギャバン、渋い役者でした。望郷、ヘッドライト、地下室のメロディ、全部みてますが、望郷のペペルモコが最も好きですね。
-----
「ペペルモコ」いいですねえ‥‥ラストがもう泣けて泣けて‥‥
ジャン・ギャバンは特に美男子でもないけど、
なんかこう味があるんですよね。
(2007.01.29 13:10:05)

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Re:前科者の悲しい運命★「暗黒街のふたり」(01/29)

時計屋ちょーじさん

アジモフ
に、コメントつけた「ちょーじ」です。
はじめまして＾＾

同じストーリーで宇野重＋健さん、てのはいかがでしょうか？
寺尾＋役所かな？今なら。
因みに、
「監督は冒険者のジョゼ・ジョバンニ」
というのは、微妙な言い回しですが。。。
「冒険者」監督は、ロベルト・アンリコ、原作がジョゼ・ジョバンニです。
ジョゼ・ジョバンニは、フランスの藤田五郎ともいうべき方で、本物のギャングご出身です。

ドロン＋ブロンソンの「さらば友よ」が、マイ・フェバリットです。 (2007.01.29 16:21:03)

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Re[1]:前科者の悲しい運命★「暗黒街のふたり」(01/29)

モイラ2007 さん

時計屋ちょーじさん，こんばんは！

＞
＞同じストーリーで宇野重＋健さん、てのはいかがでしょうか？
＞寺尾＋役所かな？今なら。
＞因みに、

なるほど‥‥
私は２０年前なら森繁+村上弘明
今なら‥‥菅原文太+反町ですか。

＞「監督は冒険者のジョゼ・ジョバンニ」
＞というのは、微妙な言い回しですが。。。
＞「冒険者」監督は、ロベルト・アンリコ、原作がジョゼ・ジョバンニです。
＞ジョゼ・ジョバンニは、フランスの藤田五郎ともいうべき方で、本物のギャングご出身です。

そうでしたか‥‥すみません、勉強不足でした。
これからはもっと勉強いたしますので‥‥

＞ドロン＋ブロンソンの「さらば友よ」が、マイ・フェバリットです。
-----
「さらば友よ」‥‥いいですねえ！モイラも好きです。
あと、意外と「レッド・サン」も好きですよ。 (2007.01.29 17:07:01)

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書き込み、ありがとうございました♪

keity599 さん

ジャン・ギャバンの名前と同時に、「ペペル・モコ」とおぼえさせられた幼少時代・・。
なつかしいの～～ゥ・・♪
また伺います～☆ (2007.01.29 21:11:30)

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Re:前科者の悲しい運命★「暗黒街のふたり」(01/29)

かたつむりオジサンさん

　ありがとう、映画はいいねぇ。特に裕次郎はね。渡もいいし、チャンバラも面白い。「素晴らしき哉我が人生」はみましたか？一度観てください。出来たら、クリスマスイブに。それでは、また、 (2007.01.30 08:47:39)

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Re:書き込み、ありがとうございました♪(01/29)

モイラ2007 さん

keity599さん、こんばんは♪

＞ジャン・ギャバンの名前と同時に、「ペペル・モコ」とおぼえさせられた幼少時代・・。
＞なつかしいの～～ゥ・・♪

「ペペル・モコ」はほんっとに名作ですよね！
モイラは３年前、腎臓の病気で入院中、
病棟の廊下のテレビで、「望郷」を観る機会を得ました。
最初はテレビの前には、モイラと20歳くらいの女の子しかいなかったんですが、
徐々に入院患者さんたちが集まり（ほとんど50歳以上）、映画を食い入るように観始めました。
「あッ、ジャン･ギャバンだ！」ってはしゃく60過ぎのおじさんもいましたね。
でも一番印象的だったのは、ラスト・シーンを観ていた20歳くらいの女の子が、「ペペ、かわいそう‥‥」と、すすり泣いていたことでした。
その子はジャン･ギャバンの名前すら知らなかったと言ってたけど、「望郷」にはとても感動したようです。

(2007.01.30 19:10:12)

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Re[1]:前科者の悲しい運命★「暗黒街のふたり」(01/29)

モイラ2007 さん

かたつむりオジサンさん、こんばんは♪

＞　ありがとう、映画はいいねぇ。特に裕次郎はね。渡もいいし、チャンバラも面白い。「素晴らしき哉我が人生」はみましたか？一度観てください。出来たら、クリスマスイブに。それでは、また、
-----
「素晴らしき哉、人生」‥‥観ましたよ～！面白い発想で、なおかつ心温まる話でしたね。
事業に失敗して首くくろうとしてる方たちに、ぜひ観せたいです。
(2007.01.30 19:13:16)

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Re:前科者の悲しい運命★「暗黒街のふたり」(01/29)

ミリオンさん

こんにちは。
DVDを見るのが楽しいですね。大好きです。頑張って下さい。今日の夕方は、「独眼竜政宗」の第２１回の放送を楽しみにしています。 (2025.05.26 17:45:29)

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