メディカル・ホラーの傑作！★「コーマ」

2007.02.10

(8)

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

きょうご紹介するのは「コーマ」（'77年　米国）。
マイケル・クライトン監督・脚本ジュヌビエーブ・ビジョルド主演、マイケル・ダグラス共演の、それはそれはこわ～い映画です。

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ボストンの大病院。外科医スーザンは、親友が中絶手術中に、麻酔の処置等になんら落ち度がなかったにもかかわらず、コーマ（昏睡状態）に陥り、脳死状態になってしまったことにショックを受ける。
そして翌日、別の患者が、ごく簡単な手術でまたコーマに陥り、脳死‥‥
不審感を抱いたスーザンは、恋人で同じ病院に勤める外科医のマークの制止をふりきり、
自分ひとりで真相を探ろうと、奔走し始める。
その過程で、彼女は患者が簡単な手術でコーマに陥る場所は、いつも第８手術室であることをつきとめる‥‥！
さらには、その第８手術室の裏側には、階下から一酸化炭素をこっそり送り込み、患者の体内に注入する仕掛けが施されているらしいことまで知る。
自分が勤める大病院の裏に、恐ろしい陰謀が隠されていることを察知したスーザン！そして、彼女の背後に黒い魔の手がじわじわと襲いかかる‥‥!!

未見の方々のために、モイラはもうこれ以上、ストーリーを書きません。
ハラハラドキドキのサスペンス・テクニック、緊迫感と恐怖感の盛り上げ方、中でもミスリードの絶妙さには、感心しました。
ほかにも、スーザンとマークというドクター同士のカップルの葛藤（マークは野心家で院内での出世を望むタイプ。かたやスーザンはどちらかといえば学者タイプ‥‥かな？）、性差によるぶつかりあいなども、なるほどと頷けるシーンがたくさんありました。
惜しむらくは、サスペンス映画ではとても大きな要素となる音楽が、観客の恐怖感をかきたてる効果を出していないこと、
そして、これもサスペンスではとても重要な要素なのですが、カメラワークがあまり躍動的でないことです。

ジュヌビエーブ・ビジョルドという女優は、いわゆる美人じゃないけど、
なんかこう、歯ごたえのようなものがありますね。
それと、マークのアパートメントでシャワーを浴びるシーンで、曇りガラスごしに彼女のヌードが見えましたが、見た目と違って結構グラマラスなのに、びっくりしました。
マイケル・ダグラスも、なかなか良い演技をしています。
この人はほんっとに、お父上のカーク・ダグラスに似てますね。ちょっと斜め横を向いたところなんか、どっちがどっちかわからないくらいです。

★もっとマイケル・クライトン！★